バクマン/輝きのタクト/パンスト/そらのおとしもの

バクマン。・10話。服部編集者との打合せにて、サイコーたちは「主人公のキャラが弱い」という欠点を指摘される。これ、天然ではなく計算で描く作家という彼らの特質と関連していそうやね。普通の人間が頑張る話ではジャンプ(めんどいのでもうこっちで統一)でウケない、特殊な主人公じゃないと…とか、作家の契約金制度についてとか、作家への「ぶっちゃけ話」がそのまま視聴者へのぶっちゃけともなってんのはなかなか良い戦略構成やな。


デビューを焦る彼らの目に映っているのは新妻エイジという天才の姿である。エイジと彼らとの差、それは内容。付け加えるならマンガへの偏執的な愛。サイコーたちのディレクションに一旦失敗した服部さんは、ならばということで博打に出る。キミたちには王道は向かない、ならば邪道だ。10人のうちの2人でも、それが圧倒的に支持されればトップを取れる、と。…計算タイプであるサイコーたちにとって、変化球である「邪道」は確かに良い作戦かもしれないが、さて。


アドバイス後に持ってきたネーム群を見て呆然ともらす「全部面白くない! なんでだろう」っちう服部さんが良いねえ。通り一遍で表層的ではない、作家と一緒に本気で考えているという風情が出ている。…そういや服部さんもモデルになった本人が居るそうだが、どうなんでしょ、演技プランに反映されたりしてんのかしら。あの「ハハハ」ってな笑い声とか、いかにもありそうな特徴ではありますが。


STAR DRIVER 輝きのタクト・10話。野球話、でも別に番外編じゃないっすけどね。愛憎渦巻く緊迫した試合…ってワケでは全然ないが、また新たなキャラの関係性が見られたりと興味深くはある。ワコさんとスガタさんはともかく、そこに小清水のメガネいいんちょが幼馴染とは初情報。んでもってタクトさんはマリノさん相手にラッキースケベ→ラッキーツンデレされ、というなんじゃそれカワイイ男の子は得よのう、っちうコンボをカマす。


この流れを受けてのラストシーケンス。ミズノさんの台詞「マリノとボクが好きになるものはいつも一緒だもん」→マリノさんの表情→ここでタイトル「そしてマリノの初恋」、という流れは非常に小憎たらしく上手かったなあ。


言及箇所が多そうなのであと箇条書きで。■試合開始時の一同礼のシーン、各々の動きのちょっとしたバラけ方が印象的。なんとなくキングゲイナーOPの手を差し出すシーン思い出したり。■カタミワカチタヤガダンセの呪文…千駄ヶ谷立川三鷹、か。関西人にはピンと来んなあ。何か関連性のあるチョイスなんだろうか。■「まさに牽制球」のタッチとかバットの受け渡しとか回想シーンの手繋ぎと手放しとか、ちょっとした肉体言語的描写が上手いね。■今回で初登場、ミズノさんヴァージョンの巫女の歌。サカナちゃんのと同じくらいキャッチーかつ彼女のキャラに合ってて、こちらも良し。■…ちうか、電気棺ってひょっとして、電気羊と掛けてたりする? しないか。


パンティ&ストッキングwithガーターベルト・10話。今回は3話型式というか変則5話というか。まず前半はブリーフさんの体内をベースとしたミクロの決死圏話。普通だったら「えーそんなそれはムリだあ」等と一ネタあるだろうンコとして尻から出ることへの抵抗感とか、そんなん微塵も無いのがこの作品らしい。それよりガーターベルトさんのガチな性癖のほうが強調されてんのがねえ。「さあ、今すぐズボンを下ろすのだ!」「ワシとワシのワセリンの力を信じるのだ!」…うん、歪みが無い。


真ん中パートはチャックさん主役で、これはジャンル映画のパロディなんかな。米国カートゥーン調、(別に3Dでもないけど)3D映画調ときて何故かラストは…なんだこれ、イレイザーヘッドか? 内容もクソもあったもんじゃなく、割と楽しい。中の人ネタを全編に渡って引っ張るとは思わなかったよ。ちうか、そもそもチャックって何なの? とか訊くのはヤボなんだろうな。


えー残りのPV風な話は…すんません、音曲関係はカラキシ弱いのでほとんど元ネタが判りませんでした。凝ったパロが大量に投入されてるらしいのは感じられるんだけどねえ。これは詳しい人にお任せ。…てことで、後半二つがパロディという枠を重視した変則的な話だったので、真っ当にパンストやってる(って言い方もヘンだが)前半がワリ喰っちゃった感じだな。ま、そういうカオティックさもこの作品の味だろうけれど。


そらのおとしものf・10話。前半は各々の「居場所」の話。ニンフさんやアストレアさんにとってのマスター喪失という要素/イカロスさんの新しい感情、というちょいマジな話と対比されるのが、トモキさんのトイレ・押入れ引きこもりというバカ話なのが良いバランスではある。ちうかイカロスさん、ご主人様を電子レンジにかけるってのはいかに天然キャラといえどかなりエゲツないぞ。ギャグ描写が無ければ即死だった。うん。でもどうしていいか判らず静かにおたおたするイカロスさんはかわいいです。


後半は原作の別の話を融合したのかな。町の各所にパイプを張り巡らせ、自分の部屋に居ながらにして覗きを行おうとするトモキさんの話。そんなもんカメラなり何なり置きゃエエことなのだが(道義的には良くありません)、こういうルーブ・ゴールドバーグ的な過剰システムこそがロマンではあろう。このシステムでトモキさんのちゅー顔見ちゃってオーバーヒートしちゃうイカロスさんが判りやすい。性的に興奮するとハネが広がるのか…うん、便利な描写アイテムだな。


次回へのブリッジは復活のカオスさん。色々と有機物を吸収したみたいでちょっと成長した状態になってますが。痛みと苦痛を撒き散らす黒い天使、っちうとこですかね。なんか次回はシリアス話っぽいな。