海月姫/屍鬼/荒川

海月姫・3話。蔵之介さんと月海さんたちとの価値観はすれ違ったままではあるが、蔵之介さんはほとんど意に介していない。…「オレ何か怒るようなこと言ったかなあ」という、どこか原因を外部に求めているような台詞が端的ですよね。内向的/内罰的な性格の人ならばまずこの台詞が出てこない。


価値観以上に立ち位置のギャップも大きいよな。まだ今のところ、彼ら二人の関係は対等とは程遠い。いや蔵之介さんとしては全くそんなつもりはないのだろうけれど、月海さん側から見たら明らかに「自分が格下」という認識だろう。ま、蔵之介さんも何だか「面白い人を見ている」っちう段階に過ぎないし、交流や友人関係とはとても言えないやね。


そして蔵之介さんは月海さん「原石」だと評し、自分色に作り変えたいと思っているようだ。ははあ、ネタとしてはマイフェアレディというかプリティウーマンというか、そういうの? んーん、そうねえ、蔵之介/月海、どっちかの価値観が「勝つ」ような展開だとちと面白くないかもな。できたら止揚というか醸成というか、今後二人の間に新たな価値観が出来上がって欲しいトコですが。


親戚の総理大臣(!)役に千葉繁、カタブツお父んに麦人、イケメン運転手に子安…とまあ、既出キャラに加えて皆さんもうガッチガチのキャスト陣。そんなけ確実な演技を求められているんでしょうな。えーとそして…あれ? 蔵之介さんじゃなくて、兄の修さんの方にフラグ立てちゃうワケ? ふうむ、そらまた意外な。面白そうですな。


屍鬼・14話。てことで、しばらく前から予告っぽい映像には出てた「尾崎医師の人体実験」話である。冒頭の憔悴し切った尾崎さんの表情で既に怖いんだけど、本チャンのシーンはここまで引っ張っただけあって結構なショッカー描写であり、確かにかなり怖い怖い。


試しに農薬を注射するだの耳から器具突っ込んで脳を破壊してみるだのという直截的な描写も充分アレだが、とにかく当事者お二人の演技ね。ひたッすら苦悶の呻きを上げてる小林優子にものすげえ淡々と恐怖実験を実況している大川透。これ、アフレコ現場も相当にネバこい雰囲気だったやろなあ。…にしても、麻酔が効かないってのは地味に面倒な体質ではある。待てよ、ひょっとして酒(やドラッグ)も意味がないのか? それはヤだけど、そんかし強烈な血への渇きがある…のかしらん。


とまあ、後半のゴッツいシーンとバランスを取るかのように、前半には多少のコメディっぽい描写もあり。とりあえず大川酒店の面々はどいつもこいつも面白すぎる。あと起き上がりになってもちっとも変わらないままの君であるマサオさんもね。そして問題のヤスヨ看護婦、…何だろうなあこのフルスイングのせくしーしょっとは。ふう、誘ってやがるぜ。作画も然りながら、キャラや服装の設定する方も相当の根性要ったのと違うやろか。


荒川アンダーザブリッジ×ブリッジ・6話。初っ端は田中理恵の島崎さんの話。村長らしきコワイ人に脅されたり、シロさんに惚れちゃったりとここに来てのキャラ立ちアピールですが、さて上手いこといきますかね。リクさんのお父んがニノさんのことを調べようとしてるのは単に「息子の相手だからね」てな考えなのかもしれないが、案外とこれが今後の…今回後半からの要素につながってきたりするのかしらね。でんでんそんなことなくてもまあ、構わないのだけれど。


てことで後半はニノさんの苦悩の巻。シリアスな感情をシュールなバカネタに乗せて、あるいは逆にしょーもない話を心からの言葉に乗せて語られる荒川下の世界。いやあリクさんの気持ちはよう判りますよ、この世界のコードについていくのは本当に疲れますよねえ…とか言ってるうちにリクさんもだんだんと壊れてきた。こーなるとストッパーが居ないのでコワいぞー。…マジで金星に行くハメになったらどうするよ。それはそれで幸せではあるか。


エンディングは今回だけ何故か実写から離れて、妙にカッコよくてかわいい絵になってる。これフツーにセンスいいねえ、石橋加奈子さん、という方の手によるものらしい。1話限りではいかにも残念だが、そういうゼエタクもこの作品らしいかもしれないな。