ヒーローマン/デュラララ/おお振り/ナイトレイド

●HEROMAN・10話。さて新章、あれから三ヶ月である。各所に災害の爪痕が残っており、復興と再生の行われている都市…9.11でもいいし阪神大震災でもいいが、そういうイメージもあるのかしらね。こういう作品だし過度に悲惨な描写は無いけれど、それでもその災害規模の大きさは歴然である。それだけに米国上層部の「謎のヒーロー」への警戒も判らんこたないけどね。


てことで、スクラッグという存在意義としての敵を失ったヒーローであるな。教授は「有事の為に訓練を」と言うけれど、ヒーローマンにとっての「有事」っちゃァ大概な状況だぞ。それこそ異性人襲来とか…。地道に土木作業してるヒーローってのは面白いが、やはりそれだけでは立ち行かぬしねえ。異形の者として去っていったウィル兄さんを含め、どうも「皆に認められるヒーロー」にはまだまだ障害が多そうだ。


とまあ、メインスジの一方で今回はリナさん大プッシュ回でもあり。悲しがりリナ、デレリナ、ムスリナ、猪突猛進リナ、リョナリナ(言い過ぎ)などいろいろ。しかしこのコ、ホンッマにいついかなるときにもチア衣装なのな。そういうプレイなのか性癖なのか、あるいはゲッシュでもしてるのか。あと、前回ちっとも活躍しなかったDr.ミナミロボが楽しそうに活躍してて良かった。ミナミさんは御不満のようですが。あーあと、ミナミ助手のメガネねーさんが非常にめんどくさい性格と判明し、萌ゑるかも。超萌ゑるかも。


デュラララ!!・21話。ダラーズという得体の知れないモノに振り回されている竜ヶ峰さん。確かに自分が作り出したものではあるが、今やそれは全体像もつかめぬ代物となっている。ある意味、目に見えて暴走している黄巾族の方がまだ判りやすい分だけマシなのかもしれない。そして毎度の「何かしよう、何かしなきゃ」な意思が裏目に出るの法則で、サイカたちも状況の悪化に一役買っている。全てはイザヤさんの思うがまま…。


何か慢性疫病のごとくじわじわと事態が悪化してゆく、重苦しい時間と展開が印象的。ちょっとずつボタンが掛け違ってって、気がついたらエライことンなってるような、ね。今はスプリングボードをぐぐっと撓めてるっちう段階なんだろうが、さあて…ブレイクスルーとなるキッカケは何なのだろう。そういやイザヤさんがふと漏らした「ジョーカー」って概念もあったっけ。静ちゃん辺りでしょうか。


率先して状況を(アカン方向へ)展開させてる高木渉のチンピラさんは便利なキャラやねえ。とことん俗物でショートテンパーでヘタレ、でも悪運だけは強い…という。ヤクザっぽいナリだけど、やっぱ大塚芳忠インテリヤクザさんと関係があったりするんだろうか。あ、芳忠さんがジョーカー?


おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜・10話。一進一退の両チームだが、ここでデカい転向点イヴェントが発生。本塁クロスプレーにて阿部さんが足をヤってしまうのだ。普通に「あ、マズった」でもちっとも構わんと思うのだが、何ゆえこんなことになっちゃったのかという伏線/理由をじっくりと描いてんのがこの作品らしいなあ。「体張ってでも!」っちう台詞とかねえ。


全面的に阿部さんに依存していた三橋さん。そのことに気づいたモモカンがくわぁと髪の毛逆立てちゃう程のベッタリ一方向依存だったのだが、阿部さんが戦線離脱したことで三橋さんの意識はぐいと変化する。ここでちょっとだけ、二人の関係性が逆転…とまでは行かんが、並んできてんだよね。相手の腕を白くなるまでぐいと握る阿部さんの、その心根は三橋さんにも伝わったようで。


それにしても美丞のキャッチャーさんである。自分の力量が至らぬ故の、望まぬ境遇。やはりラフプレーを唆されてたか…と思ってたら、実際に発生したのは意図したものではない事故でした、ってのがまたイジワルな脚本だよなあ。物語の構造上このコは「第一線とは言えない選手」として描かれてるけど、いやあ…勝負の世界って大変ねえ。その直後にマジモンの才能者として田島さんのエピソード置かれると、余計にね。やっぱすげえわ田島さん。


閃光のナイトレイド・9話。思い人を追うアオイさん、職務を果たすカズラさん、兄と運命に翻弄されるユキナさん。それぞれの立場のズレは、そのまま進む道のズレとなって彼らを別方向に歩ませる。直截的な原因者は兄のタカチホさんなのだろうけれど、多分彼は触媒/スターターに過ぎないのだろう。さて、彼らの道はまた交わるか、それとも並行するか、あるいは衝突するか…というね。


中国飯店娘さんとユキナお嬢さんとの会話が象徴的ではある。関東軍のせいで焼け出されちゃった中華娘さんは憤懣やるかたない体なのだが、お嬢さんに「日本人は嫌いか?」と訊かれてちょいと戸惑う。そうだよね、大枠で「日本人/関東軍」と捉えて評価して断じてしまうと、個々の人格は失われてしまう。また個々人に目を留めすぎれば、国家という大きなバケモノの活動に圧し潰されてしまう。この構図はそのまま、目の前の女性を救おうとするアオイさんと国益を是とするカズラさんのそれに重なる。極端に走れば相容れない二属性…窮極的には同じ方向を見ているはずなのにねえ。


タカチホ兄さんがユキナさんに幻視させたシーンは…うーん、やっぱアレって核の炎かしらん。えーと、ハーンとマイトナーがゴタゴタと原子物理の書簡交わしてたのはいつの時期だっけ、って38年ころか。となるとやっぱこれ、アオイさんの思い人の預言者さんが関与した未来技術、とかかなあ。