蠱惑のシュガーレス

ボトルガムが切れたので買いに行く。シュガーレスのヤツ。普段買ってるのが売り切れだったので、別ブランドのものを買ってくる。別にそれほどガムの味に拘泥するような思い入れも無いので、まあ構わないだろう、と思ったのが甘かった。でもガムはシュガーレス。…いや、味が悪かったとかではない。むしろその逆、と言えるだろうかどうだろうか。


ワタシがガムを噛むのは気分転換や気晴らしであり、別のことをしながら何とはなしにカミカミするのが普通の状態である。しかして今回購入のボトルガム、この噛み心地がそのまあ、何というか、無意識にボーっと噛ませてくれないのだ。何がどう違う、ってのは言いにくいのだが、噛めば噛むほど「ほらもっと噛みなさい。まだ足らなくてよ。どうです更に噛みたくなるでしょう。ほらほら」という、口ン中がモヤモヤするような感覚を喚起させてきてですね、噛まずに遊ばせておくってなことをさせてくれよりませんのだ。


結果、マンガみたいにわっきわっき噛み潰して噛み潰して、己の変態的行状にハッと気付いて慌てて捨てる。こんなことの繰り返し。上記の通り味や香りが不快なワケでもなく、それどころか一種快感の源泉と言えんことも無いワケであり、目ェ三角にしてゴミ箱に叩き込むってなこともできん。でもワタシがガムという存在に求めてんのは、そんな激しく爛れた情欲じゃないんですよ。もっと落ち着いた悟りの世界なんですよ。違うんですよあなたじゃないんだ。だからそんな被虐心を煽るようなたたずまいでこっち見ないでくれ。ああ。


なので今、割と困っている。