ワーキング/大魔王/荒川

●新番組・WORKING!!。詳細は知らぬが、物語の集積的な構成やテンポ見ると4コマ原作かしら。どうやらそのようで。北海道のファミレスにてバイトを始めるメガネ福山さんのお話、である。お嬢さんの多いファミレスが舞台ってとこだけ見ると萌え系な作品っぽいが、キャラデザインがマンガ寄りで少々地味…いや地味ったってソレ系作品に比べればだけど…なので、案外典型的な萌えっちい雰囲気は少ない。


…てェか、それ以上にキャラの性格付けがなかなか、ひどい。働かなくて暴力的な店長姐さんやら初対面で相手を殴打昏倒させる人やら何故か帯刀しているお嬢さんやら、…確かにこういう作品においてはキャラを立たせることが肝要ではあるが、にしてもこのそこそこテンポのよい語り口でやられるとちょっと、付いていきにくいなあ。原作の4コマであればある程度読み手の裁量で鑑賞できるところもあるんだろうけど。慣れるまでに少々時間かかりそうだ。


そして主人公のメガネタカナシさんもだ。店長に対してトシだの何だの平気で言い、それを注意されてもあまり自覚が無い、っちう辺りで微妙に引いたりした。一見大人しげな外見であんなんやられるとなあ。舞台が客商売という「他者との関わり合い」の多いとこだけに、こういう描写はちょっとな。


作画はなんか、よし。ちまちまと小柄によく動くぽぷらさんとか、細かいしぐさの付け方が丁寧でんなあ。てことで、うーん…どうしよう。もうちょっと様子見てみようか。


●新番組・いちばんうしろの大魔王。詳細は知らず、ラノベ原作ですか? ワタシが少々苦手な渡部高志監督なのでどうかな、と思ったんだけど…うん、これはなんかエエかも。キャラのデザインが何となく「渡部さんっぽいな」って気がしたんですけど、単にスレイヤーズ系統のちくちくした絵柄だってだけかもしれない。まいいや。


さて。どこか知らん魔法あふれる未来っぽい世界を舞台に、清廉潔白を旨とするも「この少年は将来の大魔王なり」という烙印を押された不幸体質さんと、曲がったことが大嫌いな堅物剣術フンドシ少女さんが出てきて想像通りになる話。メインのスジや導入もともかく、ヒロインさんがフンドシ属性、というワケの判らんサーヴィス設定に少々慄いたりする。慄いたりするがそこを押して先に進みまして。


あー、前半の設定説明パート。テンプレと直球素材に寄っかかった軽量な雰囲気ではあるが、気になるほどでもない。しかしこのままの流れだったらちと喰い足りんなあ、と思ってたら後半部分にやたら濃厚なアクション作画があって座りなおしたりした。ムチャなアクションのつるべ打ちに乗っけて、ついでとばかりに次々と登場キャラを詰め込んでるのも勢いで許しちゃいそうです。とにかく前半と後半の粗密メリハリが効いてて、それだけでもかなり印象的な第1話になってたな。


あとはまあ、上で書いたけどまあ、ふんどし。あとちち。それとぱんつ。そんな感じ。んー、結構ツカミに反応しちゃったのでこれは次回も見てみよう。中途で失速しなきゃ面白そうです。


●新番組・荒川アンダー ザ ブリッジ。大魔王に引き続き苦手気味な監督の作品…ではあるけれど、新房監督さんは近作で割と克服できたので少々楽しみ目で視聴。って主役はやっぱし神谷浩史なのねー。そして案の定少年時代役はチワさんだ。「○○組」っぽく手駒を固める監督さんはたくさん居るが、ここまで徹底してる人もあまり居ないのではなかろうか。ま、それはともかく。


自らを完璧人間と自負するイケメン兄さんがずるずるずるずると悪夢のヘボギャグ世界に引きずり込まれていく話、である。「他人に借りを作ると死んでしまう主人公」という頭の悪い大前提で判るとおり、これはいついかなるときにも主人公が敗北するという世界の作品、である。いちいち律儀にモノローグでアカン方向へアカン方向へとフラグを立て続ける主人公さんに頭を抱え、そしてそのフラグをどうぶっ飛び処理するかという期待感で成り立っているアニメ、である。…いやあ、こういう類の成果物には、ガチガチに世界観を固めて饒舌に処理する新房監督の色はよく合うねえ。


第1話…いや表記上はは第1話から第9話までだけど、とにかく今回放映分では主に神谷/坂本/藤原の芸達者三人による芝居がまあ、カッチリと決まっていた感じ。真綾さんはデムパヒロインで基本的に受け芝居なんだけど、あとの二人の野郎どもの芝居の押し加減・抜き加減がやはり見事だ。ラジオドラマでも成立するくらいの濃厚な声芝居…まあ、あの絵柄込みでの雰囲気でもあるのだろうけれど。


てことで、このテンションで1シーズン押し切るのは毎度ながら大変だとは思うが、楽しみにお付き合いさせていただきましょう。…で、あの予告編の実写村長さんは誰? 特殊メイクでどうにでもなるでしょうけどね。監督とか原作者とか藤原さんとか。大穴で坂本さん。