ジョジョ/オルフェンズ

ジョジョの奇妙な冒険・36話。追いつめられた川尻吉良さんは早人さんを殺してしまって更に追いつめられてしまう。あまりの切羽詰り具合に血が出るまで指の爪を噛み潰してしまうという、ラスボスらしくない焦り具合と弱さの一面が面白い。こういう辺りも吉良さん独特の悪役ぶりではあるな。結局その極限の苦悩が更なるスタンドの発展を促すことになるのだが、…こっからあとに出てくるスタンドほどじゃないとは言え、バイツァ・ダストの初見時は結構「え、何? どういうこと?」って思ったりしましたけどね。アレを爆破能力のカテゴリに入れてしまう吉良さん、というか荒木先生の感覚が凄いわな。

バイツァ・ダスト自体は完全に受身のスタンドで、吉良さんの安全を巻戻しで守るというチートじみたもの。言い換えれば彼の安定志向への執着がそんなにもかいな、ということでもある。この段階でさえどないして勝つねんというシロモノだが、話が進むと後付みたいにどんどんディテイルが積み重なってきてもうワケ判んなくなんのよね。その複雑さのおかげで主人公たちも勝ちを見ることが出来たと言えんこともないのだが。

万全の安全を得て気が大きくなった、それを端的に示す為であろう、ここで吉良さんの髪形が全然違うものになる。原作見たときでもなんかよく判んない髪形だったが、アニメになってもやっぱよう判らんな。なんかブラシ処理までしてますけど、ちょっと怖いよ。でも描きやすさでいったらこっちの方がまだ楽そうだしねえ。多分ソレが一番の理由なんじゃないかしら。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ・34話。ヴィダールさんがその戦闘能力を示しつつ、その周囲とか割と離れたとことかでキャラの深化が進む話。非常に高い戦闘力と「美しさ」をディスプレイしたヴィダールさんだが、その相手が名無しの一般キャラたちってのは少々残念気味というか、今後の展開への「段取りくささ」を感じさせんこともない。一方イオク様はそのぽんこつ描写に拍車がかかってきたが、ここまでヘッポコいとこれからシリアスな目に遭うための踏み板状況なんじゃないかと気には…うーん、そない気にもならんか。まいいや。

その他のキャラもそれぞれ深化、オルガが各方面への挨拶回りと折衝で参ってたりハッシュがすっかりミカのおしかけ舎弟になってたり鉄華団テイワズ内部での立ち位置がキナ臭くなってきたりといろいろあるが、まずおやっさんメリビットさんがつきあってたというのをこういうタイミングでぶっ込んでくるのがなんかすげえ「上手いこと伏線仕込みやがったな」と思った。予想できた人は少なかっただろうが思い返せば確かにそうだと思わせる、そのヤリクチが小憎そいなあ。

まあそれら要素を全部上書きしちゃう、マクギリスとアルミリアの絵面のインパクトっすわな。割とマジメに言うならばこれはマッキーにとっての一種の弱点であり、あるキャラの本質的なところが明らかになるというのはミステリアスさというヨロイが剥がれて「底が割れる」ということと不可分である。彼の言う理想の世界はひょっとして、実現はしても彼自身がそれを見ることはないんじゃなかろうかという、まあそんな感じもあるよね。そしてフマジメに言うならばあれ、児ポ案件以外の何物でもない。なんか純愛っぽい雰囲気出してんのが却ってタチ悪い。うん、まあ、いいと思います。なにがやねん。