ソラノヲト/バカテス

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト・10話。リオ先輩の決断の巻。先輩が自分の過去と現在を受け入れ、未来に対して向き合うまでの話であり、そして小隊との離別の話である。そこに至るまでの過程として年老いたマダムのエピソードが挿入されるのだが、この二要素の距離感というか間合いというか、ビッタリ重ならない感じがなんかよろしい。劇中の台詞じゃないが、お互いに響きあうようなイメージ、ですかね。


待てど暮らせど来ぬ人を、その思い出と約束だけで充分だと言うマダム。そ、約束ってのは心の交流の証であるが故に。人々が出会ったり分かれたりするその交流、その記憶さえあれば人は進んでゆける。迷った末にどこかにたどり着くことではなく、迷い戸惑うその過程こそが本質なのだ。


リオ先輩は、何の衒いもなく迷っては突き当たるカナタさんを羨ましく思う。…リオ先輩の境遇は、迷うことよりもたどり着くことを求められている場所だから。今まで「逃げていた」と言う先輩は、その立場の求められていることに従って去ってゆく。彼女が最終的にどこに行き着くにしろ、この街で皆と迷ってきた記憶と過程がある限り、進んでゆくことができるだろう。


山のマダムに京田尚子。回想シーンでは声をアテてないとは言えなかなかにツヤっぽい役でして、何となく人生の経歴が感じられる演技は流石でアんした。75歳かあ…すげえわなあ。


バカとテストと召喚獣・10話。みんなで大事な物を失くしちゃったのでエライ目に遭う話。各々の「大事な物」の提示シーンが妙に自然で違和感なかったなあ…と思ったが、よくよく考えてみるとこの作品自体のノリが羅列式であるから、ってだけなのかもしれない。うぬ、木を隠すなら森へ隠せか! 謀ったな! ってそんな大層なもんでもないか。


失くしものがテスト保管庫に紛れ込み、それの必死なサルベージに一枚噛んで陰謀をたくらむゲストキャラさん…という基本構造も割とシッカリしていて、オチの付け方とちょいとエエ気持ちにさせてくれる後味も悪くない。いやまあ、今まで通りに実に細かくしょっもねェ小ネタもわんさか乗っかってきてるのではありますがね。この(打率はともかく)ギャグ濃度の高さは多分…と思ったら案の定のナベシンコンテ。いやホンマ、期待を裏切らないお人ではある。


しかしこの流れはアレですかね? コメディ作品が一区切りに近づいてきたのでシリアス風味になるの法則ですかね? うーん、個人的にはバカのままでも一向に構わんのではあるけれどな。さて。