ソラノヲト/バカテス/ささめきこと/レールガン/クェイサー

●新番組・ソ・ラ・ノ・ヲ・ト。…タイトルはそらのおとしものの略称みたいだがあんま関係はないし、キャラデザインがソコハカとなくけいおんっぽいがあんま関係はないようだ。てことで、主人公のラッパ吹きの二等兵少女さんが新たな任地へとやってきていろいろヘタをこくお話。架空世界の軍隊や風俗の構築ぶりはなかなかに手間ひまかかったものであり、そういうカッチリした土台の上に個性的なキャラ(ま、主にお嬢さん)を乗っけて動かしてゆく…ってな作品のようだ。


主人公さんはドジっ子というよりは迷子属性の方のようだが、この「迷う」という要素は作品の根幹に関わりそうな感じ。ゆったりしたテンポと落ち着いたディテイルの多い作品の雰囲気は、確かに一本道の画一性とは対極であり…つまりまあ、「迷うに適した」シチュエーションではある。それはまた、見てる側の解釈や楽しみ方が多そうだ、っちうことでもあるな。


とりあえずはかなり手堅く丁寧な第一話。ワシ如きおっさんに優しい作りでして、よしちょっと見てみましょう。昨今割と珍しいアニメオリジナルってのもちょっと応援したくはなるよな(メディアミックスで展開はするようだが)。あーそれと、大島ミチルの劇伴がエエねえ。空気感出させたら抜群である。


●新番組・バカとテストと召喚獣ラノベ原作ということだが詳細は知らず。「テメエのアヴァターを召還してお互いにバトルさせること」を習得する学園において、落ちこぼれバカの主人公たちがどんどんノシ上がっていく話…なのかな。今後は様々な戦術戦略で話を転がしてゆくのだろうけれど、今回は「主人公側にチート強キャラが居たので勝ちました」とまあ割と竹を割ったような簡単話。ま、バトルに際してのお約束とか規則とかが結構煩雑なので、第一話であまり込み入ったこともできんか。


設定も展開も非常にゲームっぽい構造の作品であり、大沼監督のキッチュな色がよく馴染んでいるような感じではある。成績順のクラスごとに待遇が違い、落ちこぼれになるほどぞんざいな扱いになってゆく…という格付けバラエティみたいな要素とか、頭身が低くかわいらしいキャラデザインとか、あまり深刻なお話にはしないぞ、っちう意図が感じられるのは悪くない。バトルの面白さで見せますよ、っちうことにも繋がるしね。


ただまあ、この先どうなるのワクワク、っちう程の期待感は少々薄いなあ。この条件設定でどこまでバラエティに富んだシナリオを出せるのかがカギでしょうね。ラノベ原作ってことでその辺はちゃんとクリアできてそうな感じもするが、さて。…んー、もう少し見てみようか。


ささめきこと・最終話。いろいろあって一日ほど電話もでけへん状況になったとしたら、さてお二人さんはどうしますか、っちう話。…ちょっと連絡が無いだけでモヤモヤしてる風間さん、気持ちが判るようなめんどくさいような。恋人たちの「パワーバランス」と評するお兄さんは妙に的確である。「たった一言」をラストのキモに据えて、そこに至るまでのなんてことない過程のみで一話を持たせる雰囲気の編み出し力は、流石だ。


ラストだけあって作画演出ともに丁寧至上。レイアウトの気遣いや明暗の取り方、何気ない仕草の挿し込みぶりなどがいちいち小手先上手い。夕暮れの道をガキの人がケータイを届けにいくシーンは、主題歌とカットバックと時間の演出がよろしくて、本人以外には結構どーでもいい(失礼)出来事なのに、キッチリとラストのシメに相応しい質感と量感が出てましたな。


総評。第一話を見た段階では、少女さんたちの百合っちく揺れる心情を堅実に描き出しつつ、透明感のある語り口でサラリと処理する…という、ははあこれは良い雰囲気アニメ、てな感じだったのですよ。その演出の端正さは最後までちゃんと保たれていたのだけれど、しかし途中から村雨さん(とその周囲)の何だか同情できるようなしにくいような、ヘッポコな暴走要素がちょろちょろと顔を見せはじめまして、これがどうも楽しくてねえ。終ってみれば何やらフシギな印象を残す作品になってました。


第一話だけでのまとまりがかなりレベル高く、これだけで一作品として完結してんのと違うか、このあとどう話を転がしてゆくのだろうなあ…と思ってたらアレですわ。村雨さん役の高垣彩陽さん、ワシはこの作品で認識したのですが、あのスコーンと放り投げるようなツッコミが実に心地よい。うーん、エエキャラやなあ。


基本的にはワタシの守備範囲外のジャンルなんだけど、そんなワタシでも視聴を継続できるような普遍的なおもろさがあった良作だと思いました。とにかくまあ、丁寧な演出で突き抜けたドラマ描くっちう適度なギャップが魅力でしたね。うん、何かヘンだったもん色々と。んでそのヘンテコな展開が楽しみだったもん。…ヘンテコばっか言うてるけど、ちゃんと繊細な部分は残したままでのことですからね。とまあ何言ってんのかよう判りませんが、まあそんな感じ。おもろかったっす。


とある科学の超電磁砲・14話。サテンさんは補習を受ける。レヴェルの低い野郎どもを寄せ集めて退屈な授業にしんどい実習、ワシら懲罰大隊は辛いよねえ、てな風情に見えるけれど実は…という話。とは言い条、限界を超えた所にさらなる境地がある! という割とスポコンものっぽい辺りに落ち着いてしまうのだけれどね。いや個人的現実やら観測行為による波動の収束やら、いろんなリクツや話の展開はあるんだろうけどさ。


というお話のスジもさておき、シリーズ折り返しってことで今までのゲストキャラがちょいちょい顔見世で出てきてる、って方も重要なんだろうな。眉毛の人とかヤンキー姉御とか、ここで出てきたってことはもうちょっと話に絡んできそうな雰囲気があって割とよし。特に姉御はアレでシマイだと、何のためにあんなキャラ立てしてたのか謎ですもんね。


…あと、座学担当のちび先生もそうやんな。これで登場終わりってのはもったいないっすね。再登場希望。


●新番組・聖痕のクェイサー。詳細は知らずだが…おお、RED連載が原作で金子ひらく監督にうのまことキャラデザかよ! ちうか金子さんって監督とかしてたのか、と思って検索したらこれが初監督作とかや。んー、出来たら今後も作画方面にても活躍の場を残して置いていただけるとワシ的にありがたいのですが。


…というまあ、そんな制作メンツから想像できるようなアニメになってました。とりあえずちち、そしてちち。少々陰気で眉間にしわ寄せたような学園伝奇モノという設定といい、思い切った中二設定の主人公といい、そうねえ…一番近い雰囲気なのは「一昔前の18禁OVA」ですよな。まァ地上波だしそうそうムチャもでけへんやろ、とか思ってたら謎のサポート娘さんがちち放り出して主人公に授乳しました。ほしたら元気百倍元素パーンチ! で大勝利。これは割とバカだ。よし。


さて…ふむ、これはなかなか「求めるべきモノを正しく提示する」良心的な作品になりそうではある。ただまあ、ワシのオッサン度合いの進行により、ちょっと胃もたれしちゃいそうなんだよなあ。こういう重ッ苦しい設定がしんどなってきたってのもあるし。てことで次週以降見るかどうかは微妙だけど、これは純粋にワシの方の問題ってことで。まァ先のことは判りませんけどね。