ニャル子さん

這いよれ!ニャル子さん・最終話。どくさいスイッチ後の世界のような無人の町を歩くマヒロさん。途中でパトIIみたいな鳥ポスターが出てきたとこ見ると、押井つながりでビューティフルドリーマーな雰囲気のネタかもしれないが、まあそれはともかく。

最終的には敵の目的はえろげであった、という充分なヘッポコオチでありそれはエエのだけれど、前半部分のこのシリアス展開がいささか長かったような気がする。それにCパートのラブコメちっくな引きも悪くはないが、個人的にはぶち壊し的な「ワアワア言うております」みたいな流れでぐだぐだに終わった方が好みであったな。

ラスボス(?)のロイガーさん。ここで中田譲治のエエ声が仕込みとして役に立つっちうワケやね。マヒロさんを石化して精神だけ活かすという、妙にガタノソアの原典に忠実な手法が逆に浮いておられる。「諸君私はえろげが好きだ」「よろしいでは戦争だ」という少佐成分と、「死ぬがよい」というロンゲーナ大佐成分の双方を持つので、足して二で割って兵隊で言うなら中佐くらいの身分なんだな。あと、この辺のバトルは流石最終話だけあってかなり気合入ってましたね。ケムとか爆破とかのエフェクト作画がぐいぐい動いててよろしかった。

●総評。典型的なオチモノのフォーマットではあるが、そこでオチて来るのがニャルラトテップだったらどうでしょう、というお話…ともちょっと違うか。なんせこのニャル子さん、ワシらが知ってるニャルさんとはどうも違うお人らしいのでねえ。てことで、王道のクトゥルフモノを期待すると(そんな人がどれだけ居るのか判らんが)肩透かし気味だが、割り切って視聴する分にはまあまあ、というそんなアニメ、ではあろう。

実際本作の魅力のかなりの部分はニャル子さんその人のキャラにある、よな。この手のヒロインにしてはかなりの積極性持ちで、うざくてうざくてうざくてかわいい。よくある「ヒロインと主人公の身体交換」というネタにおいて、さっさとトイレで一発抜いてきてそれを報告する、というヒロインにあるまじき行為に感心したよワシ。アウトだアウト! それ、交換ネタで女性側がやっちゃいけない行為ナンバーワンだから! 

んでもって彼女のうざかわいさに最大限貢献しているのが阿澄佳奈さんですよな。彼女のハイテンションでノリの良い、でもどこかヌケてて憎めない演技と声質のおかげでニャル子さんのキャラが非常に際立つ。…ここでは浅野さんを挙げてますが、その他のキャスティングも総じてベストに近いと言えるだろう。上記の交換ネタの際の、キタエリアスミスの演技交換ぶりが印象に残る。みんな器用ねえ。

えー、本編の方はまあ、いろいろと気になるところもあるが(ワシとしては1カットのケツ部分がどうもダルく、鈍重なのがアレだったなあ。もちょっとサクサク切ってあげりゃいいのに)、そうねえ…あんまし目くじら立てるような作品でもないかな、とか思ったりする。「所詮その程度のコンテンツ」と言うとすさまじく聞こえが悪いが、いやワシそういうジャンルアニメって好きだし、必要だと思うよ。娯楽作品ってそういうもんだ。この業界の作品の全部が全部、志が高くて大金かけてて端正な作品である必要は全くない。…「もっとこの部分がこうならなー」という感想が出る程度の方がエエかもしれない。良くないか。まいいや。

てことで、充分楽しませていただきました。次回作あるなら見てみたいな、くらいには好きです。はい。

※ありがたく指摘あったので早速修正、浅野真澄阿澄佳奈。…なんで間違うかな!