まにまに

宙のまにまに・最終話。合同合宿の夜はふけるのである。何ちゃない時間を(ふじょしさんたちと)過ごす御一統ですが、こういう経験の積み重ねこそが人生であり、またラヴラヴの礎とかなっちゃったりすんじゃねーの? ワシよう知らんけどさ! 


とか言ってる一方で、部長沢城コンビも関係進展中…って主に沢城さん側がぐいぐいとラッセルしてる状況ですけどね。ま、草食と言うよりは仙人にほど近い部長さんを取り扱うにはあの程度じゃないとアカンのかもしれない。…にしても、カノープスとはまた天文部らしいデートイヴェントではあるなあ。ワシも見たことなんかねェよジジイ星。田舎は星がよう見えたとは言え、ぐるりが山でしたからねえ。ムリムリ。


そして新たな年度を迎え、我らが弱小天文部は続いてゆく。一話を回顧させるようなシーンを使って、ああ一段落着いたなあ、っちう雰囲気の出し方はヨシ。


総評・いやー、かわいいお話だったなあ。イマドキの高校生たちとも思えないドキドキぶりはしかし、天文と恋愛と文芸と、という青春ロマンチシズムにはよく合致していたように思う。無論ろまんちっくだから丸ごとフワフワしてっかというとそうでもなくて、逆にそういうカユい恋愛未満模様を描く上で、メインモチーフの「天文」部分の描写が手堅かったのは良い対比材料になってたな。土台がシッカリしてれば何でも綺麗に乗るものよ。


実際、冬の空夏の空と季節感までちゃんと工夫していたであろう夜空の描写はかなり気持ちよかった。そうそう、空気の澄んだド田舎(ワシの故郷もだ)とかだとあんな風に見えンだよなあ、てな雰囲気を出せてたのはエライ。…検証してませんけど、季節と時間による夜空の見え方も割と正確を期してたのでしょ? …エエ加減だったらちと悲しいか、あるいは演出の力を称揚すべきか。まいいや。


とまあ、ある意味主役である天文分野の扱いもそうなのだけれど、他愛もない学生生活アニメとして実に王道であり、またコメディ的間合いのタイミングとセンスも手堅い演出は、一話見た段階でかなり心地よろしかった。ワシがおっさんだからこういう古臭いパッケージングが合うのでしょうかね。


残念と言えばやっぱその短さでしょうねえ。元が月刊連載だからしょっがねーっちゃそうなのだけど、こういう作風でこの内容ならば2クールはあってもねえ、とか思う。言わばダレ場が無いのよね。どの話も文化祭や合宿やのイヴェントがらみだったり事件話だったりで、主要キャラたちがその関係を熟成してったであろう「どうでもいい日常」の話が少ない。視聴者が彼らと歩調を合わせるにはイマイチせわしない話数ではあった。…繰り返し言うように、しょうがないことなのだけれど。


てことで、二期とかあるのならばゼヒぼやぼやと付き合ってみたいと思いますですよ。ひょっとしてそこまで原作のストックがないのかもしれんけど、まあね。うん。