とらドラ/キャシャーン

●残業後帰宅で大概遅いが、翌日休みなので二本見とこう。の一本目とらドラ! 16話。トチ狂ったメガネさんを矯正するために茶番を演ずる虎子さん御一統、の話。メガネさんご乱心の理由は「思い人の生徒会長がどっか行っちゃうから」。ヒネリも無くごく真っ当ですねえ。竜児さんとの会話で本道へと立ち返るメガネさんであり、やっぱ言語化/外部化って重要なんだなあ、ってことですな。


そしてそのまま大団円に向かわないのがこの作品ではあるな。モヤモヤとして折り合いの付かないお余り部分をムリヤリ打撃でチャラにしようとする虎子さん/会長さんが青春であり、このどーしよーもなくブキッチョな「思いの深さ」にちとアテられてしまった。熱くて理不尽なる転嫁行動やよし。またこの辺の作画がえらいことダイナミックで(ロールに沼田誠也の名前アリ)、「全てをかなぐり捨ててメタクソになる」というシーンのコンセプトによう合っていた。…いやまあ、演出的要請ナシでただ作画アニメになるってのもワタシャ好きなんですけどね。それはそれで。


会長さんの超然としたキャラが、このバトルでジオイド面に下りてくるワケですな。それまでの会長さんが回想シーンでも現実の諭しシーンでも物理的な高所から発言してるのは(意図的かはともかく)対比として面白い。うん、いつにも増して情緒的なカタルシスの大きな回でよろしございました。


キャシャーン Sins・16話。キャシャーンご一行がお花畑でキャッキャしてた時、ディオさんご一派は強力なロボ相手にボッコボコしてたのでした、というお話。ま、今回はチョーさんと内海賢二さんの、もう首筋カイカイくなるくらい粘度の高い演技を堪能する回、っちう認識でよかったのではないでしょうか。特に長島雄一さんの冒頭カスレ声演技、あーこれは酔ってンなあ酔い倒してんなあ、って感じでこっちも酔いそうでした。


ディオさんがキャシャリンに勝てぬ理由、それは守るものの不在であるとブラキンに諭される。それを超克するためにレダさんが「守られるもの」として自分をコーディネイトするワケだが、さて、天然じゃなくて養殖の庇護者関係はどこまで通用するのだろうか。…それでもまあ、ここまでやりゃァマジだろうが養殖だろうがレダ姐さんの思いと覚悟はホンマモンですよねえ。


上で書いたキャシャーンとディオのシーンの差。キャシャーンサイドのリンゴさんは、言わばイノセント性の象徴であるのだけれど、こうなるといつ彼女の無垢さが脅かされるんだろう、とそれが心配でごわすな。あるいは彼女の特異点的無垢さが周囲を漂白してゆくのだろうか。…ルナさん待ち、かな。