キャシャーン

キャシャーン Sins・10話。過去に囚われた人たちがアレコレする話。まあこの陰々滅々とした世界では過去にすがらざるを得んわなあ。そこを押して未来に進もうとするディオさんたちではあるが、それだからこそ過去を引きずりたおしている「死神」さんに腹たってしゃあない。おまけにキャシャーンのことしか言わないとなると…ねー、である。


ボロを纏い変わり果てた死神さんを見て、レダさんは「変わりないわね、その姿」と言う。無論彼の得物である巨大ジャックカマを見ての言葉だろうが、同時にその内面/記憶の過去性への言及でもありましょうか。ディオさんから「みっともない」と評され、レダさんに殺されかける彼は、しかしラストにて滅することなく歩み去る。誰も彼も過去を棄てることができない…当然、欠けた姿に拘泥するディオさんも含めて、だ。


まだ素性のよう判らんレダさん。ダイアローグや行動を見ると典型的な甘言陰謀キャラなんだけど、小山姐さんの演技が妙に柔らかくて、何か二面性の薄い…どっちかっつーと後ろに隠してんのは母性みたいなものと違うか、みたいな雰囲気がある。でもそれはディオさんよりタッパがあってちちがでかいからかもしれません。ちちが。


今回はまた今までと違った方面に濃い目の絵だなあと思ったら羽山淳一作監でした。なるほど確かに羽山テイストに合った世界観の作品ではあるよな。折りたたみカマをぎゅんぎゅん動かすアクションは流石だったし、あと気合入った瞬間盛大にユガむ死神さんの顔とかもグゥでした。