スメルっしゅ

●足が臭い。そらもう臭い。誰しもある程度はその傾向はあろう、ワタシも自身の臭気には寛容であるので平気でいくらでもくんくんくんくんできるのだが、そして結構快感でもあるのだが、しかし「他人がこれ嗅いだらタマランやろなあ」とはちゃんと思う。ちょっと待ってね。…うん、今も臭い。えーとね、…うん臭いな。ふむ。…やっぱり臭いね。えー、もっかいだけ。あもういいですか。


しかし何でまた足は臭いのだろうか。そら体中至る所に臭気はあろうが、こと足となるとこれこそ臭気の代名詞と言ったら過言っぽいな。まいいや。足が臭かったら何かしら進化の都合上有利だったのだろうか。臭気で捕食者を撃退でもしたか。他個体に対して縄張り主張でもしたか。おお、強力なるかな我が足の臭い。


とか言うてたら「別に足でなくても充分臭い。剣道やってた人間なら身に染みて判る」と言われた。使い込んだ籠手によって熟成された香りっちゃァ、そらもう絶品なのだそうだ。そうかあ、ワシそれは経験無いからなあ。


ならば、と「じゃ足の臭気とどっちが程度が上か」と訊いたら、一概には言えぬものだとの回答あり。籠手の素材のせいか足と手の違いのせいか、その香りは微妙に異なる雰囲気を持つのだそうだ。そうか。フレーバが異なるか。どっちも捨てがたいか。それは…一度経験してみたいようなしてみたくないような、と思いつつまた今日も足が臭い。…そろそろ靴の中敷替えんならんかなあ。ワタシは平気だけど。ええ。