かんなぎ/ガンダム00

かんなぎ最終話。背中を押してもらえないと動けない人、ジンさんである。元々ちょっと弱いとこも見えるキャラではあるが、まァ誰しもそんな瞬間もあろうわな。そしてつぐみさんの叱咤激励を受けて探し当てたナギさんもまた、誰かに押してもらわないとどうしようもない状況でありました…という。ま、ハタから見てると「別にそんな真剣に自分探しせんでもな」てなもんだけど、当人たちの中では重要なアレコレなのでしょうな。


そこでわあっと盛り上げて終わっとけばそういう話かなとも思うが、最後にラッキースケベ要素でサーヴィスするのが小憎そくてなんかちょっと良いです、一種の照れでもあろうけど、いいやんね。割れたガラスから身を護ってあげようという「物語的言い訳」も卑怯でよし。…あと何だ、貴家堂子が若くなったら島本須美になるのな。すげえっちゃすげえ。


総評。道具立てや展開は割とよくあるオチモノではあったけど、要所々々でのヒネった感性や小手先技術がかなり気持ちよろしくて、あんまし飽きさせなかったですな。正直ラスト近辺のシリアス展開はイマイチ乗り切れなかったと告白しちまうが、まァお話を一旦シメるには必要な要素でしょうしね。うん。


監督の前作(ホンマは違うけど)であるらきすたに比べると、ワタシはこっちの方がちょっと好みかな。とにかくこの人はメタ的にちょっとした変化球な演出を持ってくることが多いので、らきすたのような「のんびりだらりと見流す」っちう系統の作品には合わないような印象がありましてね。どうもその、身構えちまうんですよな…「今度はどんなシカケをしてくるのか?」ってね。そういう意味で、割とストーリーもハッキリしている今作の方が演出も乗せやすかったのと違うやろか。その域に達してたかどうかはよう判りませんが、まあ。


作画は本当に、ヘンテコなとこから「なんでそこを凝るかな」ってとこから王道に描き上げるとこから、見てて楽しくなるようなスタッフの力量があって満足しました。…あとはそうね、戸松遥さんかわいかったです。こういう、ヘンなとこもありィのかわいくもありィの、という主役は難しくもオイシイ役どころではなかったか。でも沢城さんもかわいかったです。ええとも。


機動戦士ガンダム00・13話。衛星兵器に死を思ったりするのでぶっ壊すソレスタさんたちの話。一話丸々使って要塞攻略編(要塞違うけど)という、なかなか盛り上げやすくも燃えやすいシチュエーションの話であり、割とそういう期待には応えてくれたのと違うかな。まァ見てる側としてはもっともっとアチシを楽しませてェん、と享楽乞食ぶりを発揮したくなるのでダメなんですけどね。そうね、充分に引っ張ったサスペンスではあったと思うが、もうちょっとあざとくできたのと違うかな…とかね。ま、これは贅沢。


今回はとにかく微妙な駆け引きというよりは、一点/一線を巡ってのガチやりとり、ってのがコンセプトだったと思う。そのためにちょっと過剰に舞台装置と設定を整理してあったのが好感。露払いの敵味方戦闘ではキレイに赤青に色分けされてる(光線兵器まで!)とかね。衛星環上を突進してくる、というあまりにも判りやすいトレミーの絵もまたよし。だからこそ、もうちょっと猪の如きガッツリ加減が欲しかったが…ってもういいですね。


矢尾一樹さんは本当にエエ感じのヘタレ退場花道を持たされてよござんしたなあ! 「いやー!」の声とともにブリッジ爆発ですぜ。んー、イヤミキャラ冥利につきようというものだ。あと屋良有作が出てきた。おっさん濃度増加。よおし。