DTB/レールガン/ザムド

●…あれ? ザムド録画入ってない? なんで黒の契約者が? …こういう時アナログ野郎はダメチンだよなあ…。


●てことでまず、DARKER THAN BLACK -黒の契約者-・えーと26話? どうやらDVD特典のオマケエピソードらしい。新シーズンへ向けての宣伝ですな。時間軸としては皆さん健在、まだ黄のオッサンが充分にイヤミな頃…うん、視聴側が一番印象に残ってる頃やね。たあいもない会話したりちゃんと闇シゴトしたりしてる彼らの姿見るだけでちと懐かしく思ったりするよ。


それにしても流石はオマケエピソード。ドラマCDとまでは言わないがなかなかの番外編ぶりでして、マユさんが腐活動してたりピンクさんが腐ってたり銀さんが腐の魔手に捕らえられかけてたり…あれ? 世は全て腐なのですか? スジとしては能力者のパワーも腐お姉さんの鎖骨パワーには負けるヨ、という話。あといろんな愛。猫とか。


盛大に軽くて気の抜けるエピソードながら、しっかりと構築してあってシコミ/バラシのバランスも良い手管はこの作品らしい。公式による同人的な楽しさがあってワシらとしてはエエのだが、まァこれで新規視聴者層の開拓…ってワケには行かないかな。どうかな。この一話だけだと盛大に作品世界を誤解されそうだが、それも一興か。


見なくても本編理解の妨げにはならんが、見ればファンは確実に得した気分になる、という実に正しいオマケ回。楽しく視聴させていただきました。さて新シーズンはまたかなり違った導入のようで。そちらも楽しみにしておきますか。


●新番組・とある科学の超電磁砲。前作「とある魔術の〜」でのサブキャラであったミコトさんを主人公としたスピンオフ。ワタシは前作は残念ながら中途から見てなくて、それは説明台詞やら独自タームやらの語りがどうにも取っ付き悪かったから(あと、その時間帯にアニメ立て込んでたから)であるが…うーん、こっちの方は割とスンナリ視聴できたなあ。スピンオフ故の簡略説明がかなり好印象。導入ってェのはこの程度のシンプル構造で充分よね。


割と強気で大雑把そうだが他人の事はちゃんと気にかける、というミコトさんのキャラ。多分前作主人公の対比としての設定であろうこの性格、こうして見てみればなかなか快適な主人公属性である。恐らくはこれから巻きこまれっぽい本編展開となってゆくのだろうが、彼女なら何がしか行動力を見せてくれそうで妙に心強い。…いや先のことは判らんけどね、まあ。


そして本編の展開も、舞台紹介・人物登場・事件発生・ねじ伏せる! とまあ、スコンと一つ抜けた明快さとカタルシスがあってよろしかった。うん、少なくともこの第一話に関してはかなりオッケーですよ。スピンオフ作品のお気楽さを期待しつつ、しばらく視聴してみよう。


亡念のザムド・最終話、録り逃したのでゴニョゴニョして補完。ナキアミは人々と世界を、アキユキは皇帝とその「名」を救う話。凝り集まっていた心は開放され、救いという名の闇は明け、各々は呆然と立ち尽くすのみ。そして空から降り注ぐ、あて先の無い手紙が五万通。けッ、サバ読むなィ。


そして9年後、である。間合いと余裕をタップリ取り、懐かしいディテイルを積み重ねて描き出してゆくエピローグってのはサーヴィス心があってよろしい。個人的には未だに飄々と中佐に付きまとってる根谷姐さんがなんか、エエな。そして彷徨の末に世界を救ったナキアミとアキユキ、ナキアミは戻らず、アキユキは9年後に戻ってくる、というバランスがハーフビターでんね。ま、ナキアミさんも一千年後には戻ってくるそうですが。


総評。かなり作家性の強いアニメでして、竹を割ったような判りやすい世界観とか誰にとっても腑に落ちるカタルシス、てなものからは少々遠いところにある。よって何だか青臭く、ややもすれば自己満っぽくも見え、そしてどうもかったる気味な展開だったりする。そこの部分で評価が分かれそうな作品であるな。…ワシの理解が及んでないとこが多々あるのが問題ですか? そうでしょうね。まいいや。


実際ちょっと振り幅が中途半端だなと思ったりもしたけれど、しかしまあ、そういう口幅ったいような雰囲気も含めての作品ではあろうな。そしてワシはその雰囲気がそこそこ気に入った。回り道に回り道を重ねてたどり着き、なんか知らんうちにどうにかなっちゃった(でも絵面はスゲエ)クライマックスも、まァその回り道という経験あってこその感情だろうけど、ちょっと心に響くところがあったりしたのよね。うん。


一方でプロダクションデザインや世界構造の設定やキャラのデザインが、既存の作品たちを色々と思い起こさせ気味なものだったのは少々気になったですけどね。いや十分に吟味され練られた成果物であるのは間違いないが、それにしてももうちょっとヒネっても…と無責任な外野観客たるワシは思ったのさ。ましかし、こういう方向性をそこそこ維持したまま二作三作と作っていけば、見る方も慣れてきて「こういうキャラの作り手さんなんだなあ」と思うようになるだろうか。そうポンポン連作もできないだろうけど。


近年の地上波アニメ(オリジンはまた違うけれど)としては比較的独特のニッチを持ったアニメであったのは間違いなかろう。それだけに大ヒットもせェへんかったのではと思いますが、うん、ワタシとしては一期に一本くらいこーゆーのがあるとエエな、てな感想ですね。…でももうちょっとだけオリジナリティのある世界観を…ってしつこいなワシ。