さまざま

●さあ、さまざま過ぎるぜ! 


とらドラ! 6話。カワシマさんの本性が出たり出なかったりする話。なまじ虎子さんにちょっかい出しちゃったおかげで計画が狂い、反撃を喰らい、そんでもって結局ナチュラル陰謀メガネさんの思惑通りに転がってゆく事態、である。裏表のあるカワシマさんに変な方法で意趣を返す虎子さんとか、いろいろ悟って開き直るカワシマさんとか、その辺のカタルシスはきっちり出ててよろしあァんした。


が、まずあの状況下にてまだ猫をかぶり続けるカワシマさん、ってのがちょっと違和感がある。いや、文章で読んだらそうでもないんだろうが、絵面で見るとどうみてもバレッバレでありもうコントに近いんだよな。あと、自ら「性格が悪い」と放言するカワシマさんが困惑し恐怖する対象、にしてはストーカーさんのキャラが異様に弱いのはどうしたのだろう。何かアニメ化にあたって遠慮してこうなっちゃったのか? もちょっと「記号的なヤなヤツ」デザインでもよかったような気がする。


銀魂131話。お登勢さんの紹介でなんだか知らんが雪のホーンテッド旅館へと案内される話。巴さん声のパンチパーマ女将が出てきたら肩ン所になんか憑いてて「えー! どっち女将どっちー!」とビビる銀さん、ちうツカミ部分から割とソツがない。一体に今回は銀さんの怖がり強がり演技がかなり極まってて、杉田さんらしいヘタレ上手なギャグやクスグリが楽しめた。


…とか言いつつ、なんでこの作品はこう油断できんかなあ! なんで幽霊屋敷譚からデェモン小暮さん一辺倒押しのネタに移行できるかなあ! 毎度ながらホンマに思いもよらんとこから球が来るよねェ。雪野姐さんのちょいとムチャのある小暮モノマネが何となく愛おしい。あと、要所々々でエエ作画が出たりするこの作品だが(今回ならダッシュで脱出(意図せざる地口)する辺りの1コマ作画とか)、冒頭のカラスの仕草がやたらにさりげなリアルでちょっと良かったりした。


キャシャーン Sins・6話。キャシャーンの前に立ちはだかるは過去よりの刺客。彼と同じ力を有するそのカッコマン・ディオさんは、キャシャリンを殺して世界を支配し、この「滅び」を無くするのだと言う。それは好都合、じゃ殺して下さい…つってもまたバーサークしたりして上手くいかないが、やっと死にそうになったらリューズさんが止めたよ。「かかかカンチガイしないで、あなたを殺すのはワタシなんだから!」といろんなレベルでド定番の台詞吐いちゃったよ。その頃撤退したディオさんは小山声のお姉さんに撫でられていました。続く。


今までとキャラが違うだけでちょっと既視感のありすぎる展開(上記定番台詞もそうだし、前回までもやたらに多用されてた「高いとこから俯瞰してる人」というモチーフがまァた出てきたりね)と、おかげで少々まだるっこしいテンポはどうかなと思ったが、とっても様式美なバトルシーンはそれだけでも満足でありました。風に散るよく判らん切れっ端とか、滝沢キックもビックリの無駄な動き攻撃連発とか、それでいて実に痛そうなインパクトの瞬間とか、毎度ながらかなりの眼福。よし。


…さて、死にたい死にたいキャシャーンさんに新たな「知りたい」っちう欲求が垣間見えましたが、当然ながら知ることでまた絶望したり再度悪役ったりするのだろうな。ま、衝撃のストーリーっちうよりは定番の快感を求めるタイプの作品だし、そこそこ楽しみに。ええ。


鉄のラインバレル5話。友の死を乗り越えまして、人間として一つ成長してやる! てことでやっと歩き始めたコーイチさんである。ここまでで5話かかりましたか…つまり彼のそういう「人間性の諸々」こそがこの作品の描きたいことであるのだな。友の死、自らの責任と弱さの認識、そして初めて「他者から求められての」戦いへの参加。前半の少々過剰な軽さとコメディな演出は、後半の覚悟して戦う姿へのタメとして充分に機能している。…ま、それでも「あの鼻持ちならなさがこうまで引っ込むかね?」とは思いますが。今後も部分的に甘っちょろいとこを持っててほしい気もしたり。


中田譲治の長官さんの、飄々とした部分と責任者としての部分がハッキリしている性格が良い。「でももう、決定事項だから。ほら契約書」とか、こういうチャッチャ加減はよろしいね。予告にて「サイテーです」と言われる対象にまでなるのかどうかはよう判らんが、能登さんに言われるならそれはそれでご褒美であろう。まあ。


あと、双子さんの操るロボのMAみたいな異形さと精神攻撃という変化球さが割と好みでした。あれいいな。


かんなぎ6話。冒頭のデート勘違いなつぐみさんは定番ネタながら、いやあ、流石にジンさんの言い方が悪いわなあ。朴念仁にして純朴にしてムッツリという青年主人公性格は判るが、アレはちょっとつぐみさんがかわいそうじゃった。ま、その後の買い物話は面白いので良かったですが。…野郎の服なら一万円でツリが来るもんね。


てことで、その後はなぜかメイドカフェ話でてんやわんやの巻。シチュエーションコメディとしてはちょっと喰い足りないとこはあるが、基本的には女子の方々(と、ジンさんのバカ純情)を見る話なのでまァ問題はない。トチ狂った告白もどきを受けてハッとしてるナギさんの奥で、小さく俯いてるつぐみさんを一枚に収めるレイアウトが効果的ではあった。


ブラ試着して心からの呻き声を上げたり、そのおかげでなんか見た目がえらいことになって「は、へへへ」と笑ったりするナギさんの演技がなかなか。演技っちゃァここにも大塚芳忠御大、最近ワンポイントイロモノキャラ根付いてきたなあ。…しかし、何ゆえパヤオさんがメイドカフェ? あんまり彼の趣味志向に合わんような気がするが。


機動戦士ガンダム00・6話。壊滅のゲリラ組織を出でて、さてどうする。…相変わらずアローズたちの「残虐行為」とソレスタたちの戦術行動にそれほどの差異が見出せず、そこはもうとっくに覚悟して/乗り越えておこうよ、てな感想はぬぐえないのではありますがね。


クライマックスの会戦、敵味方入り乱れたキャラの多さ。コイツらがキッチリと話を展開させつつ戦いが進んでんのがちょっと面白い。ちうか、こんな狭い会戦空域でこれだけの主要キャラ盛り込んでの戦闘ドラマっての自体がそんなに記憶にないですわな。その中において如例の不幸三昧なサジさんが目を引きますが…不幸っちうか、「裏目属性」だな。前半戦のキャッキャウフフの仕込みを生かすため、ってとこでしょうか。そう思うと前と後のシーズンの間隙の長さがやはりもったいない感じ、か。


ソーマさんは今んとこストーリーにおいてメインの流れに乗っている。どーも退場フラグが多すぎて心配ですなあ、とか思ってたらあの予告。うは、これは心配すぎるぜ。