のだめ/とらドラ/キャシャーン

のだめカンタービレ 巴里編5話。クリスマスの皆さんである。欧州の人々に馴染めない黒木さんが、のだめさんを通して社会と対話をはじめようとする話。彼のいかにもマジメな日本人っぽいカワードさが実に切実で、よう判りますなあ。今回通じてよう喋ってるように見えて、半分以上は心の声。確かに当地の他人から見たら「青緑色の」人なのかもしれない。…彼ののだめさんヴィジョン、スズランが咲いたり枯れたり咲いたりすんのが判りやすくも面白いな。


黒木さんのエピソードをサンドイッチする形で千秋/のだめの痴話喧嘩話。いつの間にか千秋さんの方も一応はのだめをラブ相方と捉えてるのだな、なし崩しっぽい気もするがちゃんとプロポーズしたっけ、と思いつつ、ラストのすげえ痴話喧嘩に心奪われたりした。この二人らしい開けっぴろげでムチャな争いとより戻しで、見ていてなんか楽しかった。何となァくヤンデレっぽい属性まで獲得しちゃったのだめさんの今後はいかに。音楽もがんばれよ。


ちうか芝居のロバシーンといい、なんか要所で異様に作画がはっちゃけてんな今回。あの高高度ローリングソバットは見事でした。


とらドラ! 8話。裏表嬢ちゃんの策略とか何とかいろいろに乗せられて水泳勝負の虎子さんである。ってェか何だかんだで仲良くなったなおまえら。負けたときの罰が寂しく独りで休みを暮らせとか、なんか妙にかわいいじゃないか。…カワシマさん、この世界のキャラとして組み込まれたってこってしょうかね。


一方の虎竜コンビであるが…んー、練習の様子を平気で見せたりとか、あれではクラス公認のカポー扱いではないか。いや別にかまわんが、そこはソレもうちょっと隠す様子を見せたり…って、ああ、虎子さんが竜児さんを所有宣言してしまいました。じゃいいや、もう。いろいろ言い訳もあろうが、ある種の一線を越えちゃいましたなわはは。


脚力だけはバカ強いが泳ぎはカラキシな虎子さんがカワシマさんに勝つ秘策は何だろう、ってのの回答として「相手のビキニ上を外しちゃう」。ダメダメに見えて案外、様々な点からこれしかねえ回答のような気がしたのでかなり感心したりした。何故かはよう判らん。あと、水泳練習シーンのBGMが密かに「炎のランナー」もどきだったのがかなりツボってしまった。ええぞヴァンゲリス! やっぱ燃えるよなヴァンゲリス


キャシャーン Sins・8話。希望をもたらす女、それは歌姫である。陰々滅々としたこの世にも希望は必要である。しかし、あるいはだからこそ、その希望を「忌々しい」と思う者も居る。…自己存在の対極みたいなこの姐さんについていくキャシャーンがちょっとおもろい。普段は誰かに付け狙われたりすることが多いものなあ。ついてくのって初めてじゃなかろか。


メインテーマがこのジャニスさんの歌ってことで、ものすげえ気合とリソースの込められた歌唱シーンがクライマックスであり*1、そして話自体もそこで終わる。オチも何もないこの構成はつまり、希望のない世界にもたらされる希望によって彼らはどうなったか、を描かないという選択である。


…そこに純粋な殺戮であるキャシャーンバトルを挿入する構成がカユいよなー。どうしようもない滅びの世界、不毛で無間なる殺戮の連鎖、そして歌。その三様の対比がベタながら効果的。純粋なのよねどれもね。キャシャリンが一番純粋なんですけどね。


「この世に意味のないものなんて、ない」と言い切るジャニスさん。意味を付与する行為そのものが作為である以上、人(まァロボットですが)在る限りあらゆるものに意味は在る。物から意味を無くせるのは人だけだ。さて、彼の「意味」はどういう風に形作られるのか…あるいは、形作られたのか。…んー、普通に楽しんでんなあワシ。

*1:曲に合わせた作画シーケンスがすげえめんどくさそうだなー、とロール見たら伊藤達文っちう方単独の一原でした。ほほう!