いっしょに幸せになろうよォ

●えー、割とありふれた話を書く。職場内のある別部署にて業務を行うことがよくあるんだけど、ここの統括責任者の人(以下「甲」)がなかなか怖い。いや人当たりは本当にソフトで卒がないし、また誰かを面罵しているのを見たこともないし、外見もイカツい所のない中年紳士そのものではあるのだけれど、ですね。何故かこのう、体から発せられるオーラというか威圧感というか、が尋常やおまへんのよ。


んで先日、そこと親密に業務をやりとりしている外部の業者さん(以下「乙」)がちょいとポカミスっちゃったのね。幸い大事にはならなかったものの、何件かの物損が出たりしたので乙さん大いに青ざめておられる。甲の人はその報告受けて現場をじっと見つめつつ低い声で「ま、もう起こっちゃったことだからね」とつぶやく。さらに青ざめる乙さん。


乙さんの上司の人も来てひたすら謝罪の文言を口にしておられるところへ、甲さんはつかつかと近寄って二人の肩をぐいと抱き、「何言ってるの大丈夫だよ、だって僕たちは運命共同体じゃないか! だからもう気にしなくていいんだよフフフフフ」と囁く。…こッ、怖ェ! 下手に叱られるよりよっぽど怖ェ! あんたは特車二課の後藤さんか! 肩を抱かれているお二人さんの頬に流れる冷や汗が見えるようだ…トータルリコールにそんなシーンあったな。


そこで甲さんワタシの方を振り向いってニコリと笑み、「ねェ! でしょう?」と。ワタシに振らないで振らないで、ワタシはここではただのお手伝いさんでございまして何の権能もございません。フヒヒヒと愛想笑いするが精一杯。というまあ、そんなありふれた恐怖体験でした。以上。