墓場鬼太郎/みなみけ

墓場鬼太郎最終話。あの世保険と毛生え/不老不死薬、とお互い怪しいことこの上ない(でも割とマジ効果な)商売を思いついて金儲けに走る鬼太郎とねずみ男である。「ぼくの気高い金儲け」だそうだ。んでまあ、こいつらに巻き込まれる三人の人間は運の尽き…なのかどうか。墓場で運動会ならぬ地獄でオリンピック、この冥界に比べれば現世こそが地獄…という、ね。


最終回ってことでテロップで遊んだりイメージシーンがぶっ飛んでたりとかなり凝ったこともしているが、内容的には今までにもまして濃厚な水木的思想のお話。このアニメにしては割とシッカリしたスジがあったりもする。しっかしあの冥界のイマジネーションはやっぱすげえや。ワシもあの世界の方が性に合ってるような気がします。


人間三人に矢田耕司立木文彦小杉十郎太。たまァに出てくる「気の抜けた十郎太」が聞けたのでワシご満悦です。てェかニセ十郎太が大場真人か…結構似てるなこの二人。


総評。いやあ、ヘンなアニメ。ひょっとしてマンガ原作で読んだら割とアリな作品なのかもしれんが、この味わいで週一アニメが作れるってのは相当にヘンだ。絵柄的にも水木そのままじゃなくてしっかりアレンジ入ってるし、これは相当に計算されて作られた「フラ」だよなあ。とにかく今のアニメ的常識展開から大きく逸脱しつつ、しかしやたらと面白いというバランスに舌を巻いたりしました。…以前の「怪」はあまりワタシの性に合わなかったんだけどね。何故こっちは楽しめたのかしらん。さて。


あとは声優陣ですよな。レギュラーの面々や毎回の大物ゲストも良かったが、やーっぱここは大塚周夫でしょうなーァ。こんなにも自由で軽妙な役柄は久々だったのじゃあるまいか。あの「んへへへへ」な笑い声が千両でござった。てことで満足。原作も読んでみたいっすぜ。


みなみけ〜おかわり〜最終話。長女さんの留学に際して「ワタシたちだけでもなんとかやっていけるんだ!」てなドラ最終回的努力をする妹さんたちである。割とおセンチな展開で仕込んできたので、きっとこれは「全部勘違いでした」てな引っくり返しだろうなと思ってたら…あ、マジで留学話はあったのか? 逆に意外でしたよ。どの段階で留学を断念したんだろ。ひょっとして最後の泣きつかれシーンか? 


ハンバーグに奮闘するシーケンスでは、試食組のリアクション表情のバラエティとか、コタツの上からにゅーっと出てくる次女さんとか、その辺の余裕的遊びが見た目に楽しかった。あとホサカさんは本当に、出てくるだけでキモ楽しいな。あとエンディング、登場するキャラに対応する形でキャスト表示が出てくるのはシメっぽくてよろしな。


総評。「迷走しなかった」とは言い辛い作品だったのではないでしょか。モブキャラが黒塗りだったりそうでなかったり、主要キャラの性格がどうも安定しなかったり、…まあ一番よう判らんかったのはフユキさんの存在価値なんですけどね。ラスト手紙だけだもんなあ。折角盛り込んできたなら責任持ってフォローしたげればよいのに。


でもまあ、どうでもよい日常的バカディテイルエピソード自体にはおもろいところも多くて、確かに楽しめた作品ではあったのですがね。それ言い出すと「無印で良かったのでは?」とか「そこは原作の持ち味です」とかいう話も出てきそうですが、まあ。とりあえずこの二階建て戦略は後攻の方にちと分が無かったかな、と思いました。個人的に。