うしおととら/実は私は

うしおととら・13話。助けたじっちゃんが実は東の妖怪の長である大天狗山ン本様で、これによりうしおたちはなんとか窮地をしのぐという話。遠野にて座敷わらしに次いでマヨヒガという、原作者の好きなもんてんこ盛りって感じでよろしい。無私の心で助けた行為が後に贖われるとか、一騎討ちにて趨勢を決しそれを約定として従うとか、長飛丸という名前を否定しとらだと名乗るとか、この辺も物語類型として王道なものっぽい感じもしますな。自分が「とら」であると言うたのはこれが最初だっけかしら。

相変わらずどうもかわいったらしいとこを見せるとらさんもともかく、今回はやっぱじっちゃん/長の存在感だろうな。マンガで読んでたらそうでもないだろうが、アニメだとお声が両方とも古川登志夫だからどうしても気付くわよね。…たしか古川さん、藤田作品好きだったと思うし、演じられてうれしかったやろなあ。

●実は私は・最終話。ちょいマジな危機と思わせて実はそうでもないという、まあこの作品らしい小さな世界の幸せ話。そしてそんなバカチンな要素の中にあっても、ちゃんとキャラの誠実さと素直さは出ていますよという、そんな小さな幸せ話。最終回の割には作画がそこまでじゃなかったのはなんというか、この作品に対する製作側の期待の薄さというか…いやそんなこたないだろうけどねえ。ま、ともあれ、全体的にはエエ最終回だったのではなかろうか。

お父んは既出の小山力也として、お母んはどうなるかなーと思ってたら日笠陽子。看板としての格に全く問題はないが、こういう「強キャラっぽい大人の女性」枠に日笠さんがアテられるようになったってのは少しだけ感慨深いような気がする。今でも充分お嬢さん枠で前線張れるんだけどねえ。

●総評。チャンピオンのマンガをアニメ化するとなると、選択肢は少ないながらこれくらいかなーという感想はあったものの、マジでアニメ化するとはちょっと想像してなかったという…まあそんなような作品。これはマンガ原作がどうこうってことではなくて、チャンピオンという雑誌に付与されているイメージの賜物であーるけーどな。ともあれ、こうしてそれほどの文句もないアニメ化は嬉しいことだって感想には変わりない。いやマジで、良かったねえ。

客観的に、原作知識を抜いて見てみるとそこまで突出した作品個性はないかも知れんが、逆に言えば原作を知っている者がアニメに期待する結果としてはなかなか良いデキだったのではなかろうか。白神さんばかわいいし、黒峰くんヘタレいい男だし、いいんちょマジメバカだし。あと原作の要素を上手いこと再構成してる度合いも高かったと思う。みかんさんが早々に「実はエエ人」と明かすってのは、そらそうするよなあと思いました。、

ホンマ言うとギャグ的なインパクトの大きいエピソードはこっから先に多いので、そこら辺が描写されずに終わっちゃうのは残念ではあります。アニメで嶋田さんの天丼台無し話とか、恐怖のメイドカフェとか見てみたかったなーっちうね。…深夜でちゃんぴょん原作でとなると2期はなかなか難しいだろうし、OVAとかでちょい見せとかしてくれると嬉しいんだけどなあ…主にワシが。うん。