妖奇士/あさっての方向。

天保異聞 妖奇士10話。色々あったが雨降って地固まる。サイゾウさんは自らの立ち位置について、留保付きながら認めていこうと決心するのであった。…ま、どれもこれも小笠原さんの要らんこと言いな性癖がアカンかった、ってことで。


お面妖異の最終形態はなかなかケッタイなデザインで良かった。「なんか使徒みたいやな」と思ったが、そういえば序盤からずっと、基本的には怪獣番組テイストの作品なのであった。人の業が異形を呼び起こすという…そうさな、ウルトラQが一番近いのかな。「業」ったって、父のモーホー現場に出くわす男装の娘、ってのも大概やけどさ。


あんなけゴチャゴチャやっといて「実は芝居のコマーシャルイヴェントでしたよ」で皆納得しちゃう、というオチにはずっこけましたが、まーその、虚構であること/ペルソナをかぶること、というテーマの落し所としては妥当かも。世はなべて虚の業でごんすよ。


あさっての方向。3話。Aパートの「なんとか二人で生きていこう」てな、ちょっと楽しくさえあるような擬似的家庭風景が、Bパートの冒頭からジワジワと過去の澱に侵食されてゆく。そんでラストは「血の繋がっていない妹と手酷い別れを経験した元カノが年齢逆転した所へ踏み込むカイショ無し」という、世にも珍しい修羅場でシメ。うーん、どうしたもんやら。


カネを下ろしてベッドを買う、ということ一つにもエライ手間がかかるんですよ、てな描写が楽しい。相互依存でやってかないと何もできないというのを見せるエピソードですな。そんでまた、二人各々のミョーな魅力を盛り込んできたりしてソツがねーなー。エラそうな口利くメガネロリ、てのはかなりツボかも知れん。中身は大人。


「いつまでも隠してはおけない」と思いつつつい言い繕ってしまうが、なし崩しに恨み言を投げつけることになる過程も上手かった。逃げた椒子さんを捕まえたところが丁度願い石の前、ってのも良いご都合主義だなあ。あまり得意なジャンルの作品じゃないが、うん、今んとこ楽しんで見てます。はあ。