主にスピリッツ的な

●「竹光侍」がなかなか面白い。スピリッツもあんま読まなくなってきてたんだけど、この作品のおかげでまた読まざるを得なくなった。


松本大洋という人は「花男」で知ったのでありますが、このころからなんだか「古寂びているな」という印象があった。そらもちろん当時から今まですげえ新しいマンガ形式ではありますよ? つまりその、マンガの技術という以前の感覚。この人独自の破格さが何故か、昔からの「ヴィジュアル的な娯楽」の味を思い起こさせるんですよ。黄表紙とか絵巻物とかね。いや、これはワタシ個人の感覚なので共感は得られないと思いますが。


(でも、言葉遣いはかなり特殊にして懐かしいものだったよね?)


そういう流れにおいて、「時代物をやる松本大洋」という衝撃は、時を経たワタシの中ですごく手に馴染むものになっていった。そーそー、実は昔からこういうのを見たかったのかもしれんなあ、ってな。相変わらず世間的な定型に収まらないキャラ付けが楽しく、またそれが「スライスオブライフ」的な(今のところの)展開と良い相互作用を持っている。この先どういう話になるのか楽しみです。


原作としてクレジットされているのは永福一成という方。不勉強にして存じ上げなかったんだけど、検索してみると松本大洋の盟友とも言うべき人らしい。うーむ、いっぺんこの人の作品も見てみたいなあ。


●…んで、かなり久しぶりに「気まぐれコンセプト」を見たよ。うわあ! まだやってたんか。なんかまた映画作るらしい。へえ。しかし今この雑誌読んでる人はどう思ってこのマンガ見てんでしょうね。「なーんか痛々しいなあ」と思うのはワタシの世代共通の思いではあると思う。80〜90年代当時の「ホイチョイ的なるもの」にちっともハマらなかったワタシでさえそうなんだから、当時ズッポリだった人々はさらなり、でしょうなあ。