ゼーガペイン/財前

ゼーガペイン、最終話である。OPも特別バージョンで御挨拶。前回わりとおざなりに死んだガルズオルムのお二人も、今回そこそこ見せ場を作ってもらえてよござんした。まあ、シンの看取られエンドに対してアビスはド突き合いエンドだけど。


さて。うーん、かなり錯綜したシナリオですな。ちゃんと理解するには再見した方がよさげなほどの詰め込みぶりではある。でもまあ、余韻も充分な終わり方は流石…って、ラストのカミナギさんの世界は!? 彼女の妊娠は…うーむ! どう解釈すべきかは判らんが、ああ、滅亡世界での新たな命、というシチュはSF心が沸き立つ!


…しかしキョウちゃん、思い人のうち二人とも虚構存在ということになるのだなあ。重い男だ。もうしょうがないからルーシェン兄さんとくっついちゃえ。お似合いだ。あと、サーヴィスシーンと見せて「ミナト先輩のナマ足!」が感動ポイントになってんのがエエよなあ。あとあと、「落し前は命で、ってのは無しでな」ってのでパト2の後藤さんを思い出したのはダメですか。


総評。化けましたねえ。いや、化けたと言うのは失礼に当たるか。制作側は元から全く軸足のブレがなく、ワタシの方が見方に迷ってただけですな。今期ほぼ唯一の真正面ロボアニメとして、こっちの勝手な期待に見事に応えていただいたには感謝いたしますぜダンナ方。


まず、勢いと繊細さのバランスが非常に上出来だった。その繊細さの部分、ヘタァしたら晦渋な設定過剰作品になるところなんだけど…、それら設定もディテイルもちゃんと「興味深い物語」として提示できていたのが手慣れの技。


その上で感心してたのは、凄く定番の道具立てを使ってるのに次々と意外な展開を突っ込んできたこと。ありがち設定で期待通りの展開を作る、そういう安全策に満足しないチャレンジャブルな精神をワタシは賞揚する。それで一人ヨガリであっはんうっふん言ってないのも好感触だった。うん、真っ当なエンタテインメントには弱いわワシ。


ちょいと古臭いCGワークとか、後半ヤケに急ぎ足だったこととか、欠点無しとは言えないシリーズだったけど…うむ、今期の中でも上々の良心作だったと思います。最後までちょいエロ視点を崩さなかったのもエエよエエよ。シズノのしりとか。


財前丈太郎も最終話。内取排除のために画策された大鹿建設潰し。財前は阿波踊りを見ながらウルトラC技で危機を回避する。それは…内取が大鹿のスポンサーになります! だはあ。参りました。これを聞いて大喜びに沸く記者さんたちの神経がよく判らんが、歌も入ってまあなんとなく盛り上がったのでこれにてご免! あと、エエモンの名前はどうしてもゴトウダなのね。判りやすい。


ええと、総評ですか。…うーん。結局最後まで見てしまいました。人間慣れれば慣れるものだなあ、と思いました。こういう荒唐無稽を絵に描いて額に入れたような作品こそ、潤沢な資金と余裕を持ってやんないと意味がないと思いますねんな。じゃ逆にツッコミ待ちアニメかと言うと、ネタアニメとしてもちょいと苦しかったように感じました。


そらまあ事情は色々あるんでしょう。酌量の余地もあるんでしょう。でも、大人の世界は成果やからね。スタッフの方々も腐らずにまた色々やっちゃって頂きたい、という言明をもって御挨拶に代えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。


…あ、渋い大御所声優陣ののヤケクソ演技は楽しめました。予算はほとんど声優ギャラに消えてたんと違うか?