ストライク/学園黙示録

ストライクウィッチーズ2・最終話。ラストバトル。坂本さんの身を挺した活躍によって巨大ネウロイは斃されるのだが、最後のあがきってことでネウロイは坂本さんと大和を取り込んで復活する。もはや対抗すべきリソースを持たない統合軍に成す術は無い…いいや我らには無敵のウィッチが居てるやおまへんか! あと仕込んどいた烈風斬もね! というお話。


放送枠一杯々々まで使ってバトルシーンを見せ、必要充分のエピローグを付けて余韻とともにシメ、というヒネリ無く真っ当な最終回。構造的に単純なので、畢竟そのバトル絵が重要になってくるのだが、流石にここで手を抜いたりはしないわな。特に画面奥/手前方向の動きとレイアウトがダイナミックで、かなり快感に訴えかける絵面になってたと思う。…ま、逆に言えば「それ以外は無い」んですけども、別にそれで何か問題でも? というトコですな。


これは総評でもちょっと書くけど、結局1話冒頭で出てきた人型ネウロイとか、ああいう「状況がドラスティックに変わりそうな端緒」なネタは放置気味で終わっちゃったのは残念だ。しょうがないところはあるにしてもね。


●総評。ぱんつじゃないモノを見せびらかしながらWWII世界を飛び回る軍用機少女たちの話・その2である。今は(ほぼ)亡きGONZOの後を受けてのAICによる続編だが、そこら辺の変更による違和感等はほとんどなかった…まあ、第1シーズン見てから時間が経ってるのでワシが都合よく補完してるだけかもしれまへんがね。それ言うなら千葉紗子の引継ぎとしての世戸さおりは見事なお仕事ぶりだったと思う。結構重要な役をキレイに引き継いでて感心しました。いろいろ苦労もあっただろうねえ。


前シーズン見たときの「うはー、やっちまったなコレ」というインパクトこそ少々薄れたものの、それでも充分にキャッチーかつバカバカしい作品としてのニッチは持っている。「バカバカしい」と書いたが、それを逃げず真面目に作品化する…という精神もまた保持されててよろしい。こんなん、作ってる側が照れ始めたら速攻でクサくなるもんね。あとまあ、「おーこんな子もいたっけな」という続編としての楽しみ方もシッカリありましたし。


気になったのはまず、アニメとしてのオチの付け方が少々気ぜわしかったかな、てとこ。まあ大河ドラマ的な脚本の連続性を楽しむようなアニメじゃないし、言ってしまえばフィラーエピソードこそがメインコンテンツのようなものなのでエエっちゃエエんですがね。あと、アニメだけじゃなくゲームやマンガなど多くのメディアで展開している作品だからだろうか、「世界観と枠構造を破らないように」と気にしいしい作られてるな、って感じもした。このアニメで全て解決しちゃダメだ! まだまだメディア展開しなきゃならんのだから! というね。そういう意味で、最後に主役の宮藤さんが引退してシメ、ってのはなかなか踏み切ったことだな。


作画的には途中ちょっと怪しかったりした回もあったが、おおむねそこそこのアベレージで安定。ドッグファイトシーンは(執拗に股間を狙う度合いもアップしてて)非常に爽快でよろしかった。結構頻繁にポリゴンウィッチーズが出てきてたけど違和感は少なく、ここは前シーズンからの技術進歩ぶりが顕著でんな。ダイナミックなアクションを作る助けになるし、また人的リソースの省力化もできるし、製作側としては良い手だったでしょうね。全部手描きならそらカッチョ良いが、そうも言うてられんやろしさ。


あと、この作品のイメージカラーであろう「青と白」が常に画面に意識されて、パッと思い返すとキレイに青白カラーが思い起こされるほどに徹底してんのはすごいわな。この画面統制がしっかりしてるので、敵ネウロイの「赤と黒」がよく目立つワケだ。この辺のセンスはよろしかった。


てことで…人気シリーズの続編としては、少々ハッチャケ性は足らなかったかとは思うが、まあ必要十分なデキだったのではないでしょうか。ちうかこの程度では「普通」っちう評価になってしまうほど時代が進んだ、ってことなのかもしれぬが、よく判らない。んー、そんなとこで。


学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD・12話。前回からの引っ張り要素の核は、ああなるほど、高高度爆発による電磁波障害ですか。電気機器がほぼ全滅ってことで、また一つステージを過酷な方向に/工夫せねばならぬ方向に進めることができるワケだ。今度こそ美しい夜を、それは幻ではない…ですな。


さて本編は…とってもキレイな、紛れも何も無い「俺たちの戦いはこれからだ!」エンド。仕込んどいてそのままほったらかしの要素も、新たに出てきたステージも全部それっきりでオシマイである。読んでないからよう判らんが、多分原作からほとんど変えてないんじゃないだろうか。それでもそんなにフラストレーションを感じないのは、一応「章」の切れ目っぽい雰囲気にはなってるってことと、あとはまあ…これが「複雑なストーリィを賞玩する」ような作品じゃないってことですか。要するにゾンビとちちでエクストリームアクションしてくれれば割とオッケーなのである。ついでにいくつかのヒューマンドラマ、だ。


そういう意味で、今回は実にカッチョ良いアクションシーンとかあって、充分な最終回クォリティだったとも言える。シルエットとメリハリ重視で、あのシーンの作画は良かったな。あーあと、久々に榊原良子お姉さまの平板呼びかけが聞けたので満足です。「タマを当てるのはパパより上手いかもね(↑)」


●総評。タイトルどおりそのまんま、高校生たちでゾンビ映画をやりましょー、という非常にシンプルな企画の作品。そしてその表現形式もちちしりももえろぐろ、ガンにミリタリに裸エプロン抜刀娘。何というか…そうねえ、迷いなく力強く思い切ったというか、そんな感じ。1話見た辺りでは「ゾンビ映画的設定で1クールでも持つのかしら」などと思ったが、話数が進むにつれて、ゾンビ映画のフォーマットに「パーティ組んでのアドベンチャーモノ」の要素が盛り込まれてきた。途中そういうイメージ絵がありましたね。これによって話の継続性、エエ意味でのマンネリ化が可能になったワケですな。


さて、ノリとしてはかくの如くである。しかしブラックラグーンのときも思ったけど、B級映画的描写をアニメでキッチリやろうとするとB級バジェットでは済まないんだよね。この作品でも上記のえろぐろすぷらったを描写する為に結構な演出/作画リソースを投入している。ナンセンスなことほどホンキでやらなきゃ意味がない。そういう意味で、このアニメ化の方向性はとても正しいやね。


クソの役にも立たない扇動者たちや高木さんちのご両親など割とアブナい描写もあったりしたが、ここまで踏み込んだ描写作りして地上波放送したってのは大したものだなと思う。多分原作ではもうちょっと具体的なんだろうけどね。…しかし個人的には、自分の主義主張とは対極にあるキャラクタを正面から描いたアラン・ムーアや、ウヨサヨ同舟でバカやってる「気分はもう戦争」とかの方が好みではある。ま、この作品とは逆に「孤高にて勇敢なる革命闘士」と「黒い街宣車の暴力集団」っちうようなセッティングでもおんなじくらい尻がモゾついたと思うけどさ。それはそれ。


アニメ作品としての終わり方は…まあ、原作の状況を聞くだにこれはしょうがないよな、って感じですわな。マンガの方も佐藤大輔を原作に迎えた段階で、ある程度の覚悟はしてたんでしょーし。…てことで、どちらかというとワタシの趣味嗜好からは少々外れたところにある作品だったのだけれど、最後まで充分に楽しく見ることができましたですよ。あの設定であまりタイクツにならず1クール続いたのはエライと思うです。次回アニメ化は原作が溜まったらってとこでしょうが…さて、いつのことになるやら。