桜蘭/無敵/カペタ

桜蘭高校ホスト部24話。鏡夜先輩、環先輩と第三種接近遭遇であるの巻。骨子としては「トホホ、天然には適わないや」ということである。


先週までのすっ飛んだ話と違って、今回は割とストレートな展開。堅物で一面的な人を、無垢な心がアイスブレイクしていくという定番譚ではある。「キャンバスを大きく逸脱して絵を描く」という比喩表現も判りやすい。個人的には、井上喜久子お姉ちゃんの「箪笥に入りきらない衣類」という地味な喩えがおもろかった。


しかし…前にも言ったけど、立木文彦が逆光でメガネ光らすと笑っちゃうんだよな。どうしても。そりゃ。ねえ。


無敵看板娘9話。地上最強生物の一翼たるおかみさんで前後編。ちうか、後半の話は原作最終話じゃなかったっけ? こうしてみるとあんまそうは見えませんが。レギュラー4人の共闘ってのはそれっぽいかな。


まーあれだ、今回はもう定岡小百合の演技力に尽きる。普段のごんぶとな男前キャラの演技があってこそのあの落差。「やさしいおかみさん」のなんとおっそろしいことか! これ、アニメとして提示されるとものすげえな。無論作画的にも文句なし。美輝が危ない袋をぶん回す絵とか、とてもかっちょよろしい。


太田さんの「てか、どっちにしても死ぬんですね!?」が可笑しい。良いギニーピッグキャラではある。あと、めぐみの「あっ♪」とかね。サソリに刺されてこの抜きギャグは上手かった。


カペタ最終話。ラストバトル、因縁の対決であるリョウとの一戦、辛くもカペタは勝利をもぎ取る。オマケ的にナオミさんとのエキシビジョンをくっつけてシメ。


…うーん、やはり不完全燃焼感は残るわなあ。それは制作側もある程度自覚しているようで、「ミナモトが居なけりゃ勝って当然じゃん!」とか「次のレースが楽しみだな!」とか、開き直ったみたいな台詞をそのまんま提示している。あとは原作でね! ってことなのかな。


総評。まあ、なかなか興味深いシリーズではあった。正直言って潤沢な予算があったとは思えず、随所に省力化が見え隠れするような作品だったのだけど、それを一年間も引っ張っていくような「物語の力」は確かに存在した。原作の力を踏まえた上で、アニメならではの演出力も確かに存在した。リョウに敗北したレースの燃えっぷりは、未だに深く印象に残っている。


はじめの頃は正直微妙だったCGレースシーンも、どんどんと技量が向上してきて見てるほうも嬉しかったっすな。フォーミュラになってからは臨場感抜群。音響の功績も大きく、地に足のついたカーアクションで実に宜しい。


…だからこそ、やっぱし終わり方がねえ。結局ミナモトと決着をつけるどころか(それはだいぶ先でもいい)、ベストコンディションで戦わせてもらうことさえ出来なかったカペタが不憫で不憫で。仕込んで仕込んで、ばらし損ね、みたいな感じで。うーん…原作の都合もあったんでしょうけどねえ。残念。