とりとめもなく色々と色について

●ワタシの父親は色弱である。日常生活に全く問題は無いが、時折TVドラマなどを見ながら「おい、この草原は枯れてるのか枯れてないのか」と訊いてくることがあった。茶色と緑色がよく弁別できないのである。


それで困ったことはあるかと訊くと「無い」と答えるのが常だったが、祖母がコッソリ教えてくれたによると、「工業系の専門学校に入れなくて悔しい思いをした」そうである。今はどうなのか知らないが、当時は入学に制限があったらしい。


子供の頃のワタシは、父のその性質について「スゲエ」と思っていたのを覚えている。そーか、とーさんはワシらとは違う世界を見ているのか。どんな気分なんだろうなあ。…いや待てよ? 色弱とか色盲とかそんなんじゃなくても、他人がワシと同じヴィジュアル世界を持ってるという保証はないよな? りんご見て、みんなホンマにワシと同じ「赤」という質感を得ているのか? どうなんだ? …とまあ、お決まりのクオリア問題で頭を悩ませたりしたワケだ。


まあどのみち、人間の色覚なんてのはエーカゲンでしてな。赤い光と緑の光を同時に照射すると黄色に見えるが、これと単色光の黄色が区別できない、というどーしよーもないお粗末光学デバイスしか持ってないんだから。


しかしなんで「三」原色なんだろうなあ。5や6ではあかんのだろうか。大体光の波長は純粋にリニアなスケールなんだから、「波長感知細胞」と「光量感知細胞」の二種類あれば全ての用に足るのではないか。「三色」て人間の進化の都合のたまたまなんじゃねーの?


 そういや何かのトリビア本で、オウムガイは十原色とか聞いたような気がするが…ホンマかいな? うらやましい。


●とまあそんなこととは関係なく、バラ色って何色なのさ? とさっき思った。ピンク系なような気もするが、それじゃ赤とか白とか紫とかのバラの肩身が狭いじゃないか。何色なのさ。