エウレカセブン/ニャル子さん

●新番組・エウレカセブンAO。前作のTVは視聴済み、映画は未見。視聴済みとは言えそこそこ過去のことなので前作の細かいとこは忘れてんのだが、こっち見てるうちに思い出すかなと思ったら割とそうでもない。今のところ前作とどう繋がるのかもまだ判んないしね。えー、あのもこもこ湧いて出たのがスカブだっけ? つーかここ明らかに沖縄であり世界もほぼリアルの今とそう変わらんようだが、前作もそうだっけ? まいいや。


非常に整った、そして技量の高い作画で全編押し通している。第1話だからってのもあるだろうが、ボンズだし前作が前作だし多分それほど崩れることなく最終回まで走破するだろうな、っちう気はしますな。主人公の少年が事件に巻き込まれてさあどうするという脚本構成も悪くない。主役メカを出すところまでいかなかったのはスローテンポとも言えるが、その分大きなカタストロフ描写をバンバン置いていくことでキャッチーさを保っている。総じてクォリティの高い導入だったと思う。


…ただまあ、ワシがエウレカシリーズにそこまで良い印象は無いってのが問題でして。前作は作画と演出の高い質は認めるが、中途でやたらダラダラと停滞した構成とか妙に人情味の薄いキャラとかがどうも性に合わなくてね。これは多分にワシの趣味嗜好によるものですけどもね。てことでとりあえず1話は見てみたのだが、その辺の個人的気分をひっくり返すとこまではいかんかったなあ。うーん、保留。


●新番組・這いよれ!ニャル子さん。その名のとおりのクトゥルフもの…と言っていいのか何なのか。一応クトゥルフがベースになってはいるものの、ニャル子さんはニャルラトテップじゃなくて「ニャルラトテップ星人」っちうことらしい。何でしょうね、ラヴやんご一派はこんなすっとぼけたお嬢さんを見かけてあの小説群をものしたってワケですかね。それとも「星人」っつーくらいだし、個体ごとに性格の差があったりしたんだろうか。まいいや。


基本的には由緒正しきオチモノ構造をベースにして、その上にオタネタとクトネタをちりばめた形式のお話。クトネタとは言い条その濃度はそれほど濃くない…というか結構エーカゲンなんだけど、それは多分作者がソッチ方面の知識が薄いからじゃなく、ラノベ的に「あまりその辺濃くてもねえ」っちう意図でのものだろうな。実際割としょーもないレベルではクトネタに忠実で、わっざわざ夜のゴーントにシャンタク鳥ぶつけて「あーやっぱダメかー」…ってニャル子さんひどいな! あとBLTサンド(バイアクヘー・ロイガー・ツァトゥグァサンド)はかなりおぞましいと思うので勘弁していただきたい。


んでオタネタの方は…うーん、特撮(つかライダー)方面に充実してるようでそっちに疎いワシには評価不能。ま、楽しそうだから普通に流しますけどね。ブライガー辺りの古臭いネタ引っ張ってくる態度はおっさんに優しくて割とヨシ。あと特筆すべきはヒロイン・ニャル子さん阿澄佳奈ですなあ。いいかげんでぶっ飛んでてヘタレっちい演技は聞いてるだけでほのぼのする。


さて。実に毒にも薬にもならない、どーでもいいアニメである。そういう意味で非常に好ましく、その点を高く評価するものである。今期もアニメ本数多くて、こういう軽い作品は残念ながら切っちゃうことも多いんだけど…うーん、参ったな。結構気に入ってしまった。このままあまりシリアス方面に踏み込まないことを期待しておこう。…元ネタがニャルラさんだし、実は全て演技でありクライマックスで大裏切りして嘲笑する、っちうのもありそうだから困るんだけどなあ…。