アカギ/カペタ/ハルヒ

●アカギ最終話。事前に聞いたとおり、壮大な投げっぱなしエンド…つーかちっともエンドになってなーい! 原作が終わってないとは言え、もうちょっと「終わり」っぽくもできただろうが…そうしなかったな。続編も視野に入れて、ってとこですかね。


一旦終わりに見えた勝負をチャラにするやり口、「キープしといた自分の血液に吸殻をぶち込む」というヒッジョーに福本らしい極端さ。こりゃ素晴らしく狂ってるわ。ま、その素晴らしさのおかげで「これで終わりかーい!」感が強まったのは皮肉ではあるが。ラストの「ざわ…」文字はなかなかのサーヴィスでした。


総評。まー何だ、こんな企画をとうとう押し通しちゃったマッドハウスの地力に感心するばかり。あの絵を全編に亘って管理したのは大きく評価できよう。加えて緊張感とハッタリあふれる演出。うーん、近年のアニメに無い重厚さであった。


あとは多士済々のゲスト声優も印象に残る。序盤の高木渉田中秀幸も良かったが、やはり風間杜夫津嘉山正種でしょうなあ。特に津嘉山さんのどうかしちゃった演技、原作準拠とは言え鷲巣編に入って少々停滞した流れをムリヤリぶち破った功労者ですな。今後しばらく語り草になる仕事ではないかな。


カペタ28話。コースアウトリタイアのカペタ、周囲は失望したり心配したりと大変だが、カペタには背に腹変えられぬ事情と決意があった。それを正確に読み取ったのは、またもやライバル君ただ一人。ドンケツスタートのカペタ、風前の灯。さて、恵みの雨は降るや否や。


ボロボロのカペタとカートを前に「もう止めていいよ、って言ってやれないよ」と苦悩するノブはやはり良い女房だなあ。あと、この世界では雨の雰囲気は匂いで感じることに決まってんの?


涼宮ハルヒの憂鬱2話。てか、これが実質上の1話。会話の空白に耐えられないタイプのキョンさん、おかげで変人女に振り回されることとなるの一幕。巻き込まれ型の狂言回しとして判りやすい。


今回も喋り倒しで状況を時系列順に語ってゆくキョンさん。饒舌にして修辞的、少々韜晦気味な口調…というとメガネ千葉繁を思い出すな。この芸風は上手いことやってくんないと鼻につくんだけど、うーん、脱力的でいいですねこの方。杉田智和ってェと…ああ、アクエリのダメ王子か! なるへそ。


さて、未だにどこに転がっていくのかよう判らん状況だが、なかなか楽しい話だったですね。人格がほぼ崩壊しているハルヒさんのキャラが強烈で、ぜひともお近づきになりたくないオーラがヒシヒシと感じられる。ちょいとヒネクレてるものの常識人のキョンさんとの対比が面白い。


それにしてもよう動くなあ! 地味でめんど臭い小芝居を中心に動き倒し。レイアウトも凝ってるし、「技術に淫している」作画である。言っとくが誉めてますよ? 仏作って魂入れないってのを至上とする技術偏重のワタシだ、大いに楽しみました。


ま、問題はこのイキオイが続くのかどーかですやんね。さて。


…どうでもいいがメガネ女子の人、ハイペリオンシリーズって「ユニーク」よりは「超絶に上手い」って感じの作品だと思うけどなあ。