モブサイコ

モブサイコ100・最終話。テーマとしてはやはり、自分の中に在るもう一人の自分を認められるかどうか。控え目で心優しいモブも、強い力で真実を見る茂夫も、どちらも彼本来そのものまんまであること。それを示し導く為に、霊幻さんがここまでボロボロになって自分の「嘘」をモブにさらけ出す必要があった。ここで霊幻の嘘つきでイイカゲンな面を否定しないのがよろしい。そう、それが無ければモブもここに立っていなかった。そして、エクボも帰ってこなかった。

それにしてもツボミさんはやっぱ傑物だわよ。あのハヴォックの中で「しょっがねーな待ってやるか」つってベンチに座りなおすことができんのはなんか大概だわ。モブにごめんなさい言う為に、ですよ。ここまで通貫されるとモブが惚れるのも納得させられざるを得ないというか。

総評。まあここまで…3シーズン使ってまで、一つの作品をキッチリ語り終える事が出来たってのは幸せなことであるなあと思う。それもこの高いクォリティでね。原作の漫画を追っかけてないのでどこまで忠実なのかは判らんが、多少なりともアドリブやライブ感で作ってたところもあるだろうに、最後に至るまでいろんな要素がくるくると絡まりあって迷走感のない「総体」になってんのがとてもいい。モブと霊幻それぞれの成長…まあ霊幻のは自省と変化か。まあ、二人がちゃんと自分の立ち位置をもって進んでいくことになるラストまで、ちゃんと物語と状況が進んでいく、そういうお話であるのだよなあ。

アニメアダプテーションにあたって、ここまでの作画とキャスティングに出会えたってのもまた巡りあわせなんだろうね。いやもう、このアニメシリーズにあっては、どの要素も望みうる最大値で合致してんのが凄いことだなあと思う。キレイに終わって、感慨も深いよ。堪能しました。ハイ。