ユーレイデコ/異世界おじさん/よふかしのうた

●ユーレイデコ・9話。アバンはパノプティコンとしての巨人アルゴスの寓話。なるへそ、クジャクの意匠はこっからでしたか。本編はフィンの過去と目的について。かつてコミュニティに危機をもたらしたことで、カスタマーセンターへの不信と同胞への後悔と自身の自律を心に持ち、そして独りで行動する。それに腹立つ御一統…特にハックは彼に怒鳴る。多分我々視聴者が初めて見る、ハックの「言葉」と言えるでしょうな。はぐれ物たちの寄せ集め、という言葉がかつてといまとで違う意味を持つ。そして、いまのフィン(と家族たち)は、かつての人々に対してどう対応するのか、ってとこでシメ。

フィンの昔の仲間に関智一稲葉実仲野裕となかなか気合の入ったキャスティング。中でアナンド雪という方存じ上げないなと検索したら、既に外ドラアテ畑で結構経験のある方のようで。何にせよ、お名前が立つと何かかんか目を引くことだなあ。

異世界おじさん・7話。アリシアさんとその後一統。ちょいテンプレ気味ではあるが、勇者である彼女は今までのお二人よりもそこそこまともなヒロインっぽい感じがする(今の所は)。お付きの二人も最初は攻撃を仕掛けてくるものの、話せば一応フツーに対応してくれるだけおじさんにとっては上等な部類ではある。…どっちかっつーとおじさんの方が悪いわなこの場合。ゴールデンアックスにせよソニックにせよ、何でもかんでもゲームの知識を現実にアダプテーションしてはいけないという教訓と言えようよう知らんけど。

アリシア御一統に豊崎愛生鈴村健一岡本信彦と大盤振る舞いなキャスティング。フジミヤ弟さんも高木渉、ひょっとして小4って彼の最年少キャラでは? と思ったけど元太が居たか。アイツあれで小1なんだよな…。

●よふかしのうた・9話。セリさん再登場、めんどくさい男と人外の理を持つ女の対決かと思ったら両方めんどくさいだけだったという話。まとめると「オタクに優しいギャルは実在する」ということでしょう。違いますけど。すべてが恋愛に直結している吸血鬼としての立ち位置に厭いたからって、相手を殺してチャラにしようと一足飛びなのがこの種族の欠落してるとこではあるんだろう。その辺を上手いこと超えられたから、今回の結末になり得たのだろうけれど。…今回は全体の量感質感も充実してて、見てていささか疲れるくらいに手ごたえがあった感じ。このノリも作品の主幹部分なんだろうな。

それにしてもヤモリさん、あのセリさんを相手にして悩みは何だと問い、介入してきたあっくんを救い、自分が悪く言われてるのではと重ったい恋愛愚痴を漏らす彼に「悪口言ってたよ」と真剣真正面から返し、殺しに飛んできたセリさんに「そうさせたあなたの方が悪い、めんどくさい」と言い切る。半ば恋愛/人間関係スーパーマンに近く、ちょっと怖いくらいだぞ。まあそんなけのことを自分に外部委託させてるとこもあっての「ずるい」という感想でもあるんだろうなあ。