バック・アロウ/裏世界ピクニック

●バック・アロウ・6話。美少年牧場というバカみたいな主題でかなり重くて露悪的なギミック、その上でエエ感じにこれにて一件落着させる寓話性。前にも言うたがこのバランスは谷口的でもあるし中島っぽくもある。いっちいち美少年々々言うのが可笑しいてしゃあないけどな! ラスト、お互いにすげえドライな共闘関係を築くアロウとシュウがよろしい。このノリだけではなく、ビットの小物な流されやすさとか村長の頑迷さとか、ウェットな軸もちゃんと置いてある辺りが抜け目ないよなあ、と。あと本国の方のポッと出ェの軍師みたいな人、キョウさんでしたか、このテンプレ悪人参謀に見せて一言二言で「喰えない男」に印象を変えちゃうやり口も上手い。いやあ、楽しんでるわ俺。…今回ゲストの変態ヘッポコ悪人領主様に子安さん。…楽しそうでよろしい。

●裏世界ピクニック・7話。いわゆる水着回。何をどうやっても怖い展開にはなるだろうなってのは視聴側だけじゃなく登場人物もちゃんと自覚しててほしいもんであるが、その辺割とどうでもよさそう/何とかなりそうと思ってるのがトリコさんのキャラクタなんだろうな。だからこそこの人がどことなく舞台装置っぽい感じがするんだろう。…その辺のキャラの方向性、作品を構成する要素(特に銃器への偏重)が、全体的な作品世界の妙な歪さ…描きたいことと表現形式と主題がいささかかみ合ってなくて欠落箇所がある感じ、の根っこなんかしらと思う。ともあれ、ラストのビーチ全体でのカタストロフィは規模がでかい気持ち悪さでいいスペクタクルだった。あと在日米軍はあのまんま救われないのかしらねえ。秘密部隊だから公にはならないだろうな、あれ。