ハクメイ

ハクメイとミコチ・最終話。以前ちょっとだけ出てきた緑尾老(狼、じゃなくて老なのね)に会いに行く話。会うったって相手はキャラバン、これからあの辺を通るぞという情報だけなので会話もできず多分遠くから見かけるだけになるだろう…ということに対し、わざわざ一日がかりの旅行をやろうってんだからホントにこいつらは行動の人ではある。運び屋の狸だかアナグマだかに世話になったりお猿さん運営のロープウェイで登ったりと結構な大旅行ののち、「こんなこともあろうかと」ハクメイが持ってた炸薬で状況が打開されるという、うんまあ、アグレッシブだよ実際。

隻眼の老狼さんに榊原良子。声一発で判る大物キャラってのは流石の存在感でして、こんなお人(オオカミ)がエピローグのような言動行動するってのが実にかわいったらしくてエエと思う。しかしこの人とか、普段は何喰って生活してんだろね。牛とか豚とか…?

●総評。小さな世界の日常話。確か前も言ったけど、佐藤さとるの「誰も知らない小さな国」が幼少時の根っこ部分にガッツリ喰い込んでるワタクシとしましては、こういう世界構築をしてる話ってのはまず点が甘い。その上話のあちこちに複雑な町並みだの自然の樹を使った住居集合体だのでてくるとなればそらちょっと興奮するところもあるってなものだ。見はじめの頃は「もうちょっと色彩とデザインに落ち着きがあった方が好みだな」と思うとこもあったのだが、まあこういうモンは見てりゃ慣れる。登場キャラがちまちまと小さ目ならこのくらいメリハリがあった方がいい、って考え方もあるしねえ。

ちょっと面白かったのは主役二人が共に、かなりの外交性と行動力を持っててあんまり内に悩まないタイプだったこと。二人に限らず登場人物みなそういう傾向があるのだが、とにかく話して手を動かして行動する。せわしなくはないが忙しい、この独特のノリはなんか陽性でいいなと思った。見てるワシがこもりがちなタイプだから、ってのもあるかもしれんけどね。

個人的にはこのまま、あまり世界の謎だの現実との整合性だのとは関わりなく続いてってほしいものだと思うくらい、ここでの生活は好ましい物語となってた印象。原作がどうなってんのかは知りませんが、まあね。ともあれ、1クール楽しませていただいたのは間違いない。うん、おもろかったっすわ。