ハクメイ/フランキス/魔法使いの嫁

ハクメイとミコチ・7話。センさんによるおうちリフォームは思った以上に冗長性の高いものであり、ハクミコの二人が知らんうちにこの家は…「家」というより樹木ベースの小さな村みたいになっていた。あっちこっちに間借り人は居るわそこここに梯子はかかるわジュース売りは出没するわ、である。もうこの段階でワシ、あーこの世界いいなあーという気持ちでいっぱいですわな。こういうムダにめんどくさい構造の集落とか、好物にも程があるワケでしてね。

前半はそこの間借り人の一人、クワガタの娘さんであるコハルさんが主役。田舎から来たおのぼりさんで都会的生活に憧れるも、気分だけが先走ってるので割と失敗する。ま、自分に合う合わないってものはあるよねえ…って話ですが、あまりデフォルメされていないストレートな「虫」のデザインしてんのになんかこう、かわいいという存在感はちょっとおもしろい。小倉唯声だからってのもあるんでしょうがね。

かわいいってのは後半の放浪写真家・ミミさんもそうやね。名前からしてミミトビネズミだろうか、ちまちまとしつつも受け答えに妙なかわいさがある。これも高橋李依の演技に拠るところが小さくないだろう。酔っ払ってきてふにゃっとなった辺りが特にかわいくてほっこりした。あと、彼女は「自然な写真」をモットーとしてんだけど、ハクミコたちと撮ったのはいかにもな記念写真でちっとも自然じゃない、その中でみな自然な笑顔になっている…というオチもよろしい。こういうのもいいよね、と思うんだけどダメなんでしょうかしら、彼女的には。

ダーリン・イン・ザ・フランキス・7話。ここでぶっこんでくる水着回である。今後への伏線や語られざる舞台設定の片鱗などが盛り込まれてもいるし、当然「ココロちゃんはちちおっきいねえ」「イチゴちゃんはちちがアレだねえ」「野郎どもは基本的にバカだねえ(ミツル除く)」などの水着回的なノルマも充分にこなしてんだけど、それ以上に濃厚に立ち上ってくるのは「あー、これからこういうほのぼのはほぼねェんだろうな」という酸っぱい雰囲気である。サブタイトルが流星モラトリアム。そう、これはモラトリアムなのだ。

浜辺で寝てるみなを置いといて、夜中抜け出して話し合うイチゴとヒロ。こういう胸がきゅっと締め付けられるような、この年代この瞬間しかねーだろーなーという描写も、失われてしまう前提のはかなさが横溢している、ような気がする。絶対丸くはおさまらん話ではあるよなあ。

イチゴちゃんとの会話にて「オリオンはむかし冬の星座だった」って台詞があったけど、てことはマグマエネルギーの採掘によって大幅に地軸がワチャになったということだろうか。あるいは自然に歳差運動で季節における星座の見かけ上の位置がズレてんのかもしれない…いやそれだと万年単位になるし、あの廃墟はそんな星霜経てるとも思えんしなあ。あとあの「流星」もなんか尋常じゃなくて、単なる舞台装置とは思えない感じがする。まさかトリフィドの日みたいなことにはならんだろうけどね。知らんけどさ。

魔法使いの嫁・20話。仔ドラゴンの暴走を収めようとするチセさんだが、なんかエライことになってきてこれは普通に大事件。どないもしゃあない、ってことでチセさんはまたもムチャするのであるが、その代償はなかなかデカい。片腕を異形と化してドラゴンの呪いを受けてしまうワケだ。チセさんはこれを3つ目の呪いだと言う。今更一つ増えたところでそう変わらない、と。スレイベガ、ドラゴン、そして母の呪い。

んでまあ、ここに乗っかってくるのが真綾声のちちでかい魔女・マリエルさん。魔女だから当然胡散臭いし、慈善組織でも何でもないのでそらまあエリアスは警戒するんだけど、チセの呪いを解くには何だって手はほしい。一応そっちの協力も仰ぐことにはなるが…カルタフィルスさんはやっぱりまだなんかやらかすようですね。ステラさんも不憫ではある。

この作品、基本的にチセさんがどんどん大変な目に遭うことで話が転がる(それも大体悪いほうに)という傾向がある。ここまで続くってことは、作者の人が「そういうのっていいよね…」っちう性癖なんでしょうなあ。当然ほのぼのしたエピソードや要素もあるんだけど、どうだろう…これからは少なくなっていきそうな気がする(アニメの尺としてのクライマックス近いしねえ)。シルキーさんのかわいいとことか、もちょっといろいろ見たいとこなんですが。