ハクメイ/フランキス/魔法使いの嫁

ハクメイとミコチ・8話。コンジュに連れられて蜂蜜館にやってくるハクミコ二人だが、この一角はなんでもありの無法地帯であり早速コンジュさんが攫われる。古参と新参の対立抗争に巻き込まれた二人は、何故か先代責任者の得意カクテル・ジュレップを作ることになって…ってホンマ、飯と酒が好きな野郎ども/作品ではあるな。

話の流れで何となく判ってくるのだが、この抗争劇は云わば茶番である。古参連中の襲撃理由は「なんかおもしろそうだから」であり、新参たちが旨いメシ喰ってるとこ見たら一も二も無く降参する。ま、ただの悪ふざけにしてはちょいと度が過ぎるってもんだろうが、この一画の野郎どもならそれもまたアリ、なのであろう。初見ではドスの効いた悪漢然とした古参のカシラであるツムジマルも、結局はそういう行動原理ではあったしね。

二代目のヒガキに竹内良太、上記ツムジマルに諏訪部とエエ声そろえてんのでまたムダに落ち着いた雰囲気になってんのがいい計算ではある。こいつらに物怖じせず、自然体で踏み込んでいけるハクメイはやっぱりいい男…ごめんいい女ですな。あとエンディングのこぼれ話もこの一帯の「なんでもあり」なふざけ加減がよう出てて面白かった。凝ってんね、こういうとこ。

ダーリン・イン・ザ・フランキス・8話。いふくだけとけるふしぎなえきたいのこうげきをうけた! となるとそりゃまあ男連中はあの体勢だし、どないもこないもあったもんじゃない。そしてお嬢様方も怒るのは当然ではある。こういうことを見越した攻撃だったのだな! おのれ卑劣な叫竜どもめ!

てことで、男子と女子で(言ってしまえば他愛ない)対立状態になる話。こういうドタバタの中で各キャラそれぞれ、何となく方向性を出してんのが丁寧ではある。どうも百合っぽいイクノさんとかミツルとココロがフラグ立ちつつあるとか一人ワイルドカードっぽいゼロツーとか。あと今回、ミクさんの行動だけでなく外見も、何となくエヴァのアスカさんを思わせるものがあってなんか懐かしく思った。ジェリコの壁作ったりね。

大人連中、特にナナさんはこの行為を「子供らしくない」と言う。つまり「思春期」という、こっちの常識ではガキの典型である要素は排除されてるってことなんだろうな。反抗しない理性の権化が子供…ふむ。デザイナーズチャイルドなのか、さらにまたひとふたヒネリあるのか。さて。

魔法使いの嫁・21話。エリアスはどうも心の中に嫉妬的なものを抱えているようだが、人として在ることにまだ不慣れなのでそれをちゃんと外部化できない。これが今回のめんどくさいことの原因である。一応カルタフィルスの下種な業が後押しした面もあるのだが、これカルちゃんが介在しなくても十中八九似たようなことになりそうだよね。ま、カルタフィルスによる悪行は次回以降で決定的になるんでしょうけれども。

てことで、今までも割と危なっかしかった二人がとうとう一旦ぶっ壊れちゃったような話。魔女の集会でも解消できないチセさんの呪いに、どういう意図かマリエルさんが囁いた「命の代わりは命しかない」という言葉につい乗ってしまったエリアスであるな。マリエルさんも師匠がらみでしおらしいところもあるのだが、こういうとこはちゃんと魔女っぽい(悪役というよりは翻弄する者としての)感じがある。それにつけてもチセさんは面倒事を抱え込むことだねえ。そういう星回りなんだろうな。

マリエルさんの師匠魔女・ピュリスに田中真弓。相変わらずピンポイントで大御所引っ張ってくるタイプの作品だが、これはなかなか意表突かれた。全体として流石にキッチリ奥行きの知れない老魔女をやってんだけど、ちょいちょい少年主人公っぽい雰囲気のニュアンスを読み取ってしまうのは多分聞いてるこっち側が悪い。ま、最近は役柄も固定化しちゃってるからねえ。