●新番組・メイドインアビス。原作はちょっとだけ見たことある程度で、いい雰囲気ながら「これはワシの苦手な辛あい展開になりそうだな…」と思って見逃していたもの。原作でそれなら輪をかけて情報乗っかってるアニメなんかなんで見んねんってことだけど、これもアニメちょっと見たらやっぱりデキがいい。いかにも「作家性の高い原作付き」な、まるっこくてどこかフェティッシュでディテイルが深い、アニメ先導の企画からは出てこない独自性が目を引く。原作の、モノクロでちょっとフォーカスの甘いような幽玄な雰囲気は（アニメというメディアの都合上）ほぼ失われているが、それをちゃんと補うように違和感の無い色彩設計が丁寧に行われていて好感触である。
なにより、ワシこういう「発掘と探検を基礎構造に持つ架空世界」というのにとても弱い。まあそういう人はある一定数居ると思うし（当然この作者もその筆頭株だろうし）、今更言うこっちゃないんではあるけれど…いいねえ、独自のシステムとちょいレトロなテクノロジでもって宝探しをする社会構造体。これだけでメシ三杯喰える。
…問題は上記にもあるとおり、それらを元に描かれるお話がこれ、絶対えっぐい展開になるための布石なのが間違いないってことでありましてね。おっさんになってから心えぐられる展開って単純にツライのよねえ。まあ、でも、それを押しても心つかまれちゃったのはしょうがないし、もう向こうさんの思う壺である。てことで、恐る恐る見てみますよ。
