RDG

RDG レッドデータガール・最終話。高柳さんの要らんちょっかいによってアチラ側の世界に引き込まれてしまったイズミコさんを追い、相楽さんとワミヤさん(と、何故かおとーさん見たいな犬になっちまった高柳さん本人)が救出に向かう話。引っ張り込んだ主体がマスミさんってのはちと意外…いや、あの人はその辺良し悪しの境界線が低いとこあるからなあ。結局元の莢に戻ってメデタシメデタシではあるが、これでまるまるおしまいって感じはちっともしないので、そのうち続編とかあるんだろうか。まあ。

それでも何だ、襲い掛かる亡霊を傷つきながらも乗り越えて姫さまの下に駆けつける騎士、そして擬似的ながらも告白をして二人戻ってくる…という、一つの区切りとしてはなかなか盛り上がる流れになっててその辺素直に「良かったねえ」とか思いましたですけどね。このオカルチックな状況下で二人を結びつけるものがあのケータイでした、っちうのも面白かった。今までどうしても使えなかった電子機器がここでやっと…というのもよろし。あと高柳さんのお犬さまが思いのほかお犬さましてて、何でしょうねあの生々しいかわいさ。イズミコさんに「元の姿に戻してくれ」と言うたら「私、戻せるって気がしない…」と返された辺りで笑っちまったよ。しょげんなしょげんな!

●総評。基本構造は裡に眠る強さに翻弄される弱気な女子学生が強引ながら根は優しき相方との距離を縮めてゆく、とまあ女子モノの王道話なんだけど、そこここに顔を出す独特のディテイルが面白くて、その辺この作品ならではの魅力となっていたってとこですかね。ただその、話の転がし方がちょっとテメエ勝手な印象が強く、やたら詰め込んで突っ走ったりどこかチグハグな構成であったり、と視聴に際してもどかしいとこは個人的に気になった。ジャンル内における陳腐さを避けたってのもあるだろうし、実際その独特さは面白かったけれど、時々「もうちょっとベタでも良かったんじゃない?」と思ったりしてね。

その辺、アニメではなく文章メディアでは違和感なく受け止められたのだろうか。どうもアニメアダプテーションの際のギクシャクが多かったような印象があるのだが、まあそれは原作を知らぬワシの勝手な思い込み。まいいや。

あと今回の感想でも書いた通り、宗田兄弟のことも姫神様の存在も学園のパワーゲームも石田さんのことも、メインの流れとしてはちっともケリがついてない状況なのでちと中途半端な読後感であった。2クールあれば多少含みを持たせた幕引きでもその量感で満足できる可能性もあるが、1クールでこの終わり方はどうしても喰い足りないとこはあるね。その辺も詰め込んだ展開により何とか多くのことを語ろうとしていたのは感じられるけど、難しいとこだな。

てことで、うーん。楽しませてもらったし魅力も多かったけど、いろいろ中途半端な点はあったなってとこでしょうか。でもイズミコさんのもっさりした可愛さはとてもよかったと思います。途中でメガネしなくなっちゃったのが何かすげえ残念なんすけど、うんまあ。