アリスと蔵六/リトルウィッチ

●新番組・アリスと蔵六。初回は1時間。詳細は知らず、絵面やタイトル見て想像したのと違って、かなりマギレの無い能力バトルものとしての第1話だった。まあこれからどうなるかは判らんけど、各キャラの能力の制限や顕現のしかたに凝ったものがあってなかなか面白い。能登声の和服姉さんのあの能力、とにかくでっかい(既婚者らしき)手が出てくるとか、みょうちきりんでよろしいな。その中にあって主人公の能力は「思ったこと何でもできる」と手加減が無い。かてて加えて世間知らずでわがままっぽいお子様性格の彼女に対し、ガンコジジイ・蔵六さんがゲンコとともに正面から対峙する、という構図っすな。

このお嬢さん、何やら組織に追われる身であって名をアリス…じゃなくてサナさんというらしい。こういう能力を持つ人たちがアリス、そしてその筆頭っぽいサナさんは人呼んで赤の女王。鏡の国のアリスは大昔に読んだっきりなので、今や赤の女王と言えば進化用語の印象が強いけどね。そしてガールミーツジジイ、という流れ。

嘘みたいな能力者を見て驚きいぶかしみもするけれど、それはそれとして態度や言葉が気に入らんければそのままぶつけてくる、という蔵六の性格は、いささかテンプレ気味ではあるがうなずけるキャラ設定ではある。今の世の爺さんというよりも、昭和時代の創作物なりなんなりに出てくるカテゴリの公約数的なキャラやよね。この二人のバディものになるのかどうかは判らんが、もしそうならばキャラの差も立っててなかなか面白そうではある。…監督の桜美かつし、シリーズ構成の高山文彦ともにどっちかというと地味で着実、場合によるとワシ的にはちょい平板になりかねん人だけど…原作つきならいろいろと面白くなりそうで、少しつきあってみよう。

一つ言いたいことあるのが街中、特に車のCGやんね。これみんな思うことじゃないかなと思うんだが、トゥーンシェードかける手間が間に合わなかったのか? と思えるような違和感。これで完成形だとすれば…ちょっとヘンなセンスだと言わざるを得ん。この辺、次回以降どうなるかで判断するけども。

蔵六に大塚明夫。一昔二昔前ならば、この手のガンコジジイはそれこそ大塚周夫*1フランチャイズにしてるようなキャラであるけれど…そうねえ、そのご子息が過不足なくふさわしい時代になったんだねえ、とかちょいと感慨深く思う。

リトルウィッチアカデミア・13話。嘆きのバハロアの生贄となって喰われて排泄される、という魔法祭の重要な役をいやがるアッコさんである。そんかし彼女は「いっつまでも嘆いて泣いてんじゃねっぞこの野郎」ってことでかの亡霊を楽しませようと変身魔法の特訓をするのだが、なかなか思い通りにいかんのはいつものこと。さて、彼女の出番は迫ってくる…という話。

さすがにちょっとついてけねーなーと引き気味だったロッテとスーシィがアッコに協力するに至るのが、キッカケとしてのトリマキーズの悪口からアッコのバカノートの発見までの地味な二枚重ねによって違和感なく描写される。これ、どっちかだけだとちょいとご都合風味が強くなっちゃうだろうね。いざ本番でアッコなりにメチャクチャな変身魔法で大騒ぎを見せ、来賓ともども大笑いでウケさせつつも最後の一押しをアーシュラ先生が行う…という、まだまだ助けが必要だけど頑張ってもいるという「現時点でのバランス」もよろしい。…バハロア姫の「亡き知己の悲しい過去を忘れないこと」を、楽しさに変換できるってのは部外者でイノセントキャラであるアッコにしかでけんことではあろうなあ。

変身魔法のとこも含め、前半の山場っぽい回だけになかなかエエ動きと絵でよろしかった。変身魔法のとこに出てきた動物たちが、いろいろと思い当たりそうなデザインだったのがトリガーらしい。ガンバとダンボとガンモはそれらしく判ったけど、他にも元ネタありそうね。

*1:あるいは青野武加藤精三宮内幸平とか