ニンジャスレイヤー/乱歩奇譚/クラスルーム

ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン・14話。スワンソングの続き、引き続きしっとりとした叙情的なお話。今回もアニメイシヨンらしい省力的演出は控え目だったけど、しかしおっさんと少女の二人が情感もて交錯するあの辺りは、引きの構図で悪くないなーとか思った。戦闘シーンはキッチリ枚数使ってるしねえ。

今回ゲストのサードアイとソードダンサーはあまりカットされなくて良かったね。サードアイさんはアニメとして動くと、こいつかなり小物悪役の王道的なノリしてんだなと再発見した。対照的に割と素直な攻撃エネミーたるソードダンサーさんだけど…いいのかなこの人のマスクの中の顔の描写とか。いいか。いいや。

乱歩奇譚・3話。何か知らんカンブクロかぶった人が出てきて「自分は影男であり少女愛好者だ」と言い、そして連続幼女誘拐事件が発生する…という話。まあこの影男さんが真犯人じゃあないんだろうなとは想像つくけれど、あそこまでとことん普通の無力な人でどうしようもない結末がくっついてくるとは思わなかった。擬似家族を求めそれに反するモノ(少女)を「砕いて壁に塗りこめる」という、真犯人のワタヌキさんは…ううん、表現はヘンテコだけど「普通の異常性」だなあという印象。視聴者から見れば(実際に行われた惨劇度合いは一方的過ぎるが)ヘンな度合いで言うなら小林少年のほうがずっと上っぽいのだが、しかし小林少年ははワタヌキさんを「歪」であると言うのだね。その辺の妙なズレが面白い。

…っつーかやっぱ今んとこ小林さんの独壇場だよなあ。潜入捜査の為に女装するってだけですでにあざといが、ハシバさん相手にしてあの小悪魔的過ぎる態度はどうですか。「判ってやってる」と「別に気にしてない」の境目の、非常にベストなラインをズバリと掴んでお出ししてくる制作側の性格よ。なんかこう、ハシバさんがかわいそうになるというか、この兄ちゃんそのうち爆発するぞっちうか。いいけどね。

影男の子安、ワタヌキさんの陶山ともに絶妙の演技ぶりで、それぞれベクトルは違うがなんか怖いくらい。特に影男さん、上記の通り(超絶的な変装技術以外は)至って無力な状況でワタヌキさんにしがみつき、呪詛のように「許さないぞ!」と言う辺りの迫真ぶりは「あーやっぱ当代一流の演技者だなあ」と思いました。…あと何だ、今回も明智探偵は最初と最後にちょろっとだけ出てきて狂言回しみたいな立ち位置だけど、いかな運動苦手とはいえ股関節脱臼までして、その上割と平然としてんのはやっぱタダモンじゃないな。ひょっとして痛覚が無いとか? 頭痛だけとか?

Classroom☆Crisis・3話。若い可能性を奔出させて未来を作るという教師の理想と、利益を出して社と社員を護らなければ元も子もないという会社の現実が真っ向からぶつかる…というか、先生側があんまりしどころなく砕け散る話。言い方はキツいしやり方も強引だけど「うーん…まあそらそうなるよなあ」としか言いようのない企業側、ナギサさんとアンジェリーナ服部さんの主張。まあ彼らにも思惑があるとは言え、あの部署は湯水のように予算と資産を食い潰すにも程があるって感想は間違いないとこではあろうなあ。

てことで、森久保先生とそのご一統はどん底一歩手前、首の皮一枚って所まで落っこちてしまう。それを踏まえた上でさらに、西村智道声の部長は「先生は必要である」とする。地に足付いてないふわふわした理想主義者って感じでもないし、物語的にもこっから…単なる熱血や理想だけじゃない方法で、上に向かって進んでくれることだろうな、と期待したいところ。先生ってば、大人ったってまだ23歳やもんねえ。ま、それ言うとナギサさんの方がまだ若い(未成年)上にデキるお人なんだけどさ。

多分その上昇の目の一つがキリュウ一族の確執なんだろうね。プライドは高そうだがしかしプラグマティストでもありそうなナギサさんですし、「金食い虫である部署が消えた後の金」にまつわるネタを晴らす上で先生たちが必要となるならばそうするだろう。今んとこいろいろ仕込んでる段階ですな。さて、どういう流れになりましょうかしら、ってとこで。