弱虫ペダル/ジョジョ/ユリ熊嵐

弱虫ペダル GRANDE ROAD・15話。総北はここで箱学に追いつかねばならない。しかし牽引役のタマが無いのでどうしよう、ってとこで鳴子さんが前に立つ。スプリンターなのにクライムでも速い! それは目立つ! 派手! よし! …とまあ、彼らしい論理で繰り広げられる鳴子オンステージ。しかしその大加速は、当然ながら残りのリソースをすべてつぎ込むようなものであり…というね。

最終日もそろそろ後半に掛かろうかってとこで、各陣営ともに多段ロケットの切り離しの如く退場者を出している状況っすな。今回のメインは鳴子さん、スプリンターの彼にムリクリ登りをさせることで、浪花節な花道を提示する、って感じ。観客とハイタッチしいのカメラ目線でドヤ顔しいのと陽気な前半が、視力さえも失って燃え尽きる後半をドラマチックに見せる上でのよいスプリングボードになっている。でもあれ、コースに出てくる観客さんは危ないよね。お嬢さん、ちゃんと周囲を見んと事故るよ。

しかしあっちこっちで体力精神力をケズる戦いしてるこの中、京伏は二人で…実質石垣さん一人で引っ張ってんねんなあ。ここまで描写されずに来てんのが、いろいろと想像させてくれるもんだ。御堂筋さんの見せ場はまだまだありやすからねえ。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・27話。オインゴボインゴ決着編。前回のケツんとこを導入に使い、OPも本編扱いにした上で1話に詰め込んだことですげえテンポよくまとまっている。てェか、音が付いて絵が動くとここまでストレートなバカコメディになってたんだなーと改めて感心したことだ。正面からのギャグもいいが、細かい台詞のタイミングがいちいち完璧で痒いところに手が届く演出。おまけに何故かEDまで専用のバカ絵/歌付き。優遇されてんなあ。

中盤辺りの偽承太郎の下りは、そうだった小野大輔って基本すっとぼけたお兄ちゃん役が得意なんだったと再確認させられる絶妙な演技。楽しかったろうなあこの収録。あと脚本はふでやすかずゆき、ローテの一人だけどこういう傾向の話だと光りますことで。二度も「俺たちオインゴボインゴブラザーズ!」とポーズ決める天丼ギャグとか、さりげなーく台詞やシーンを省略してテンポよくまとめるとか、流石である。…前回がラバーズ、その前がテンパランスか。傾向がよく判りますね! 

イギーさんのデザインは順調にキモい方面から脱しつつある。やっぱこれ、話数かけて段階的に変化させてくつもりか…手間な事で。そして次回はアヌビス神、これもオチこそバカギャグなものの、途中のバトルは本当に小細工なしの強さで好きな話である。うん、エジプトの神さんシリーズは(強さというよりハナシのおもろさで)当たりが多いな、個人的に。

ユリ熊嵐・4話。スキをあきらめない為にキスをあきらめる。キスとは多分実質的でフィジカルで直接的なエロス、スキとは多分精神的で更に昇華された概念としてのアガペーだろうか。てことで、クマのるるさんがいかにしてキスをあきらめ、ギンコさんのスキに寄り添って壁を越えてきたのか、というお話。これ多分、来週以降ギンコさんの背景物語もやるんだろうなとは思うが…まあ先の読めん作品だしねえ。さて。

何度拒絶され、「殺され」ても戻ってくるミルン王子。クマと言えばA・A・ミルンだもんね。彼の不死身さはそのまま「愛は死なない」ということではあるのだろうけど、ものすげえ概念的に復活してくんのでなんかちょっと怖いものがある。ま、愛というモノは一種コワイものでもありますからね。知らんけど。

…直接的に拒絶されても一向にメゲなかったミルン王子だが、しかし結局呆気なく死んでしまったその原因はるるさんからの働きかけによるものではない。彼自身の他者を思う心、るるさんへの思いこそが彼の死因。ここに至ってやっと喪ったものの重さに気付くるるさんであり、彼女は最初から彼が大嫌いで、大好きだったことに気付く、ってワケね。るるさんがギンコさんについてゆくのは言うてみれば代償行為なんだけど、それだけ概念的にはアガペー度合は高いとも言える。…こういう無償の行為は殉教に繋がりやすいモンなんですが…どうなることか。ま、その辺も次回以降。