蟲師

蟲師 続章・17話。ユウタさんは水練は得意だがそれ以外の事はちと不得手である。それは彼が水の蟲に半ば取り込まれているからである。ギンコさんは彼に対し、まあ現状維持程度に蟲的要素を抑える薬を処方し、それで皆うまくいっていた。ベストではないにせよベターな状況。ユウタさんにも友人ができ、普通の生活も送れ、そんな日々。しかし大雨のある日、現状をちょいと改善しようとしたことで…というお話。

今までも結構危ういシチュエーションはあったけれども、ここまでギンコさんの処置がストレートに悲劇を導くってのはそこそこ珍しい。いや、ここでユウタさんが消えなくてもゆくゆくは大雨の川に去ってっただろうし、そもそもギンコさんがケアしなかったらユウタさんの活き活きとした生活は無いものではあったんだけど。…母の「他の子たちときっと同じになれる」という台詞がなかなかに微妙な不穏さで、フラグとしてエエ感じのフックになってたと思います。

放心して座り込んでいる母のシーン、荒れ放題になってる背景でそれまでの状況を端的に、かつ品悪くならずに見せてるのがこの作品らしい。水を見るたび遍在する息子を思う母の図でシメ、ってのはビターエンドとして上々だし、やっぱこのアニメは節度があります。それに今回も作画がスゲえのであり。何だろうねあの水の絵は。荒れる川の内も外も全部手描き作画で見せるというのはもう偏執的の域だ。めんどくさいコンテ書きやがって…。いいけどね! 見てるこっちはね!