弱虫ペダル

弱虫ペダル GRANDE ROAD・3話。承前、2日目ゴール前ラストスパート。金城福富御堂筋と、各校のエースが三つ巴の大バトル…というよりは御堂筋とそれ以外二人、という構図。あくまで自分のみを恃んでひたすらに駆け上る彼の根っこにあるものは何か。彼の過去に横たわるズッシリとした経験とは何か。てことで、御堂筋さんとそのお母んにまつわる回想話がメインである。

今回に関してはホンマ、御堂筋さんが主人公と言って過言ではない扱いですわな。ヒーローと言うよりダークヒーロー、自らの信念の元にストイック極まりない戦いを続ける怖い人。…どっちかっつーと当座のインパクト重視な方向性である本作だけど、御堂筋さんのバックボーンに関してはかなりの程度まで織り込んだ上で描写してたんじゃないだろうか。勝利への執念、単独性への固執、今泉さんへの「母の病気」という煽り。これらをカチッと整合させた上でドラマチックに仕上げた、今シーケンスの完成度はなかなかに高い。最後の最後、自慢の前歯がパッキリと折れるという象徴性は上手いものであり、これがあるから「死んだ魚」というアナロジー的カットはちょっと余分にさえ感じた。ま、あの「死んだ魚の目」は確かに御堂筋クンっぽいとは思いますが。

ある意味大きなキモともいえる話だけに、かなり丁寧な作画状況であってその辺も見てて面白い。御堂筋母さん、原作に比してもおきれいになっててちょっと笑ってしまった。確かにここでガッツリ描いとかんと、女性描けるシーンはもうあんまりねーしなあ。いいんちょと寒崎さんくらいか?