シドニアの騎士/血界戦線

シドニアの騎士 第九惑星戦役・9話。後半にレム恒星系第9惑星への進出、および謎のガウナとの遭遇話で緊張感を煽るのだが、まあ何だね。今回の話の基本印象はラブでコメな前半〜中盤のトコやろね。もうすでに女性としての体・表情・思考となっちまったイザナさんが谷風とデートしていい感じになってる辺り、見てるこっちが恥ずかしいわ! とかそんなようなね。あんなけテンション上がったり何だりしたのに、ウチ帰ってきたら別段何でもないよーなフリをやろうとしてできないっちう、あの空気感とか生々しいよね。

んでそれ受けて、つむぎさんがおしゃまさんっぽくヤキモチ焼いてんのがこれまたかわいい。いやまあ、その相手させられたツルウチの兄ちゃんはかわいいどころの話じゃなかっただろうけども。でもこの辺りのシーン、ロボ乗りどもがつむぎさんをちゃんと仲間として気さくに話してたのが微笑ましくて良かったと思う。…あと高速機動でツルウチさんをぶん回してた時、つむぎさんチラと笑ってましたよね? そこだけソコハカとなく怖かったです。

その他にもケータイいじってたり検査がなかなか終わらなくてんーんー言うてたり、つむぎさんは毎度のことにかわいらしいことである。そんな中にもふと「もし私が人間だったらこの家に置いてもらえていたでしょうか」と口にしたこの台詞は、今後の彼女の取扱についてちょっと重い言葉だなとは思う。本人の内面が本当に人間らしいものであるだけにね。

血界戦線・10話。街の裏では結界の綻びとか何とかおかしなことが進行中であるようだけれども、しかし我らがレオさん三人にとって焦眉の急はひるめしのもんだいである。てことで、この街の昼食事情とご一統の巻。…そらまあ異世界のあっちこっちから山盛りの野郎どもが押しかけてんだからいろんな料理もあるだろうってんで、人間様の立場から見てどんだけ喰いたくもねェメシのネタが出せるか、の大喜利大会みたいなことになっている。どれもこれもヤだけど、スープ皿の中にちっこいおっさんが体育座りして「俺を食べるのかい…?」って訊いてくるってのはかなりヤだな。ま、そんなこと言うてるとこっちがスープのダシにされちまいそうですけども。

普通の話ならメインに据えるであろう大立ち回りをスカし、そこに偶然遭遇するまでのどーでもいいメシ話で主構造を成すという変化球な構成は悪くない。第1話で「ちょっとしつこいかな」と思った冒頭からの巻戻しネタも、その情景がなかなかバカチンであったというインパクトによっと効果的だった。あとレオさん三人組のマンザイもよろしいね。ツェッドさんのベタクールなキャラクタとザップさんの単純チンピラキャラがいい相克である。

んでまあ、ホワイトさんについてのパートは結構キーポイントに来ているようで。とうとう「あんたの目ん玉いただくよ」と言うてしまいましたねえ。彼女(とブラック、あるいは絶望王)が何ゆえ神の目を欲するか、そこに何らかの止揚点はありえるのか。ま、この人たちはアニオリらしいし、フツーのハッピーエンドは厳しいんだろうなあ。何とかなってほしいとこですけどね。