鬼灯の冷徹/キルラキル

鬼灯の冷徹・8話。前半は猫の小判とピーチ・マキさん再登場。知らんうちにマキさんは「ちょっと不思議ちゃん入った天然キャラ」という属性で行くことにしたようである。今回のエンディングがそのPVになってんだけど、うんまあ、…そうね、戦略としてはアリなんじゃないかなと思いますけどね。こないだもちょっと言うたけど、やっぱ何らかのウリがないとね。本人もまだ割り切れてないとこあるようだけど、そこはまあ慣れよね慣れ。うん。

にしても、あれだけ痛い目に遭ったり胃をやられたりしときながら、それでも鬼灯さんにあそこまで押して物言いできるってのは小判さんもある意味エエ心臓してんねやろな。伊達に猫又やってねェってこってすか。

後半はナスビさんのゲージツ家としての一面。そーか、あのネジの緩んだ発想や言動は芸術家肌というアスペクトからすればまあ納まりがいいとも言えるな。北斎の絵に上書きして物怖じしないってのはなかなかの器。劇中におけるナスビさんの作品はつまり美術スタッフの、更には原作者の作品に他ならないんだけど、いちおうちゃんと「うーん、なかなかおもろい絵だな」っちう雰囲気が出てんのはエライと思った。こういう劇中芸術って、結構むつかしいお題なんだけどね。

キルラキル・20話。決別の言葉を吐いて去るリューコちゃんであり、もうあのマコ劇場さえ効果が無いとなればこれは大概である。そんな疎外感を持て余す彼女に、見た目も行動もバケモンのラギョウ/ヌイのお二人がちょっかい掛けて来るのでなおさら溝は深まるばかり。はぐれ者で孤高のヒーロー…というよりはこれ、グレちゃったって感じやな。わざわざあの、ふた昔前の暴走族っぽいバイクをチョイスする辺りでよう判ります。

結局リューコちゃんは完全にラギョウ様の手によって悪堕ちしてしまうのである。力量の差を見せつけて偽りの平和なヴィジョンを見せつけて、とうとう純潔を着てしまう…着られてしまうリューコちゃんに対比するかのように、鮮血に袖を通したサツキ様のお姿で一旦のシメ。お互いの衣装交換もやるかもなと思っていたが、いやあサツキ様は実に似合うねえこの黒いセーラー服。対するリューコちゃんの純潔のイメージはあれ、特攻服かしらね。

動き揺れる主人公としてのリューコちゃんであるし、まあ敵の軍門に下ってしまうってのは予想された事態ではあるけれども、それでもなかなか悲しいものがありますな。比較されてんのが異常なくらいに意志の強固なサツキ様だけに、その揺らぎは余計に目立つ。ま、サツキ様の揺るがなさってのは主人公の対置キャラであるからこその、一種のギミックとも言えるのだけれど。マコちゃんの素っ頓狂な言葉が救いになるといいのだがな。

ここに及んでの宝多さん再登場、なかなかおいしい立ち位置である。さすがにキメる時はキメますねえ粟根のおっさん。