スペースダンディ/鬼灯の冷徹/キルラキル

スペース☆ダンディ・6話。希少な宇宙人を探してやってきた辺境の星は、一万年も続く戦争の星。ダンディとミャウはその戦いに巻き込まれ、のっぴきならぬ事態に…ってまあその戦争当事者は既に両陣営一名ずつ、その原因もパンツとチョッキでファッション的に相容れないから…ってそんなモンなんですけどね。うん、まあ、根っから葉っぱまでバカチン話。実にこの作品らしいなあ。善哉。

そんなしょーもない土台を構築しといた上で戦争当事者は結局死んじゃって、惑星破壊爆弾が発動してもうダメじゃんよ。あーまたここで爆発オチか? と思ったら冒頭ちょっとだけ出てきた宇宙サーフボードに乗っかり、ダンディとミャウはイカしたヴォーカル曲の中宇宙の彼方にサーフィンして去るのでした、という…ううん、何だこれ。ジョン・カーペンターかビッグウェンズデーか…宇宙にも水曜日ってあったっけ。まあいいや。とにかくもう、お前ら好き勝手やり過ぎてんな! 勝手にさらせもう。ああバカでおもろかった。

やたらと訛りのキツい宇宙人に宝亀克寿大川透のお二人さん。毎度ながら豪華やなあ。豪華といえばスタッフの方で、佐藤大脚本はまあともかく、原案・美術・デザイン・演出・絵コンテ・作監に三原三千夫という、何やってんのおっさんってなワケの判らん大活躍。原画は三原に加えて田中宏紀のお二人という、いろんな意味ですご過ぎてビビるわ。なんつーか、一流の才能が全力でバカな遊びやってる砂場のようなアニメである。うん、エエことだ多分。

…何でしょうね、この高いセンスとバカいノリの融合は、初期の大友克洋とか思い出したりした。惑星TACO年代記とか、あの辺。

鬼灯の冷徹・6話。前半は地獄のアイドルと地獄のイエロージャーナリズムの話。…どうでもいいが前に「地獄」と付けるとなんか80年代B級洋画っぽい響きになるなあ、ってのはまあ置いといて。アイドルのピーチ・マキさんは何というか、お話的に妙にリアルなアイドル設定でエエなとか思った。元小売店バイトで万引きがキライ、清純派で売ろうとするも割と失敗、本人はそこそこ常識がないがバカでもない。そうねえ、確かにゴシップ誌であること無いこと書かれる程度のキャラ的虚構性があったほうが売れるかもねえ。あとゴシップ誌の下世話猫又記者さんに杉山紀彰ですが、この人にゃにゃにゃっとした声質で喋ると何か山口勝平っぽいな。スタッフロール見るまで間違って認識してたよワシ。

後半は西洋地獄から再度のゲスト、今回は小西克幸声のベルゼブブさん。何というか何だねえ、キャラの内面的には当然ながら異なるところもあんだけど、ベルゼブブという存在の印象からの共通点なんですかねえ、…アザゼルさんとこのべーやんに印象が似てる外見してはりますのんな。本人的にはお互いヤでしょうけどさ。プライド高いエリートだけどそれだけに挫折に弱いという、まあ苦労人的ポジションですが、何故かえろ方面で最終的に鬼灯さんとニュータイプ的意気投合しちゃうのはちと面白い。つーか鬼灯さん、こういうトコでもそこそこフランクだったりして、ある意味全方位に強キャラやなあ。

キルラキル・18話。ラギョウお母んに反旗を翻したサツキ様であるが、生命繊維の権化たるラギョウ様、当然ながら胸を一突きにされた程度では死にもしない。その強さは圧倒的、くさぐさ準備してきたサツキ様の攻勢をことごとく退けて…とうとう娘の神衣を奪い装着するに至る。もうこうなれば絶望マックス、リューコちゃんの出生の秘密が暴露されると同時に生命繊維製の心臓つかみ出されてさあ続く…ってもう、あいっかわらずテンションたっけーな! 

今回であればまずラギョウ様の復活、ヌイさんの介入、リューコちゃんの洗脳、そして洗脳解除、サツキ様の大敗北…とまあこれらどこんとこでも「続く!」の文字を置いて問題ないくらい、クライマックス演出のつるべ打ち。途中に挟まれる満艦飾一家のメシ喰いシーンとかミキスギ先生の股間光とか、そういうしょーもないギャグが効果的な息抜きになるくらい濃度が高い。特に後半にかけてのアクションシーン作画もゴッテリとした濃厚さだけど、ただ勢いだけじゃなくてフリの付け方のセンスがいいのでいちいち面白い。…ここまで強キャラオーラを崩さなかったサツキ様が、これ以上ないくらいにボロッボロになる辺りの容赦のなさがスゲエなあ。つーか案外シンプルなお下着でございますのね、ってまあそんなことはよろしい。

これまでも結構ソレっぽかったんだけど、人衣圧倒して(少々キツい感じの)純潔モードになったラギョウ様ったら、まんまシレーヌになっちゃってますな。そういや暴走状態のリューコちゃんは色的にテレビ版のデビルマンか。…あまり考えず反応型の主人公だけにストーリィの牽引役としてはちと影の薄かったリューコちゃんですが、ラギョウ様と対立することでもちょっとメインステージ色が濃くなりますかどうですか。いや、一貫して細けェこたァ知らねェよ! なカズマ@スクライドっぽい主人公でもそれはそれでよろしいですけどね。