ガルガンティア/ちはやふる

翠星のガルガンティア・11話。レドはクーゲル少佐とそのコミュニティに遭遇する。それはラケージも従えた一大新興宗教団体である。彼らには秩序としての最大幸福をもたらしたと述べる中佐に、レドさんは素直な同意への躊躇を感じている。そうねえ…レドさんはガルガンティア船団にちょいと馴染みすぎたから、ですか? とか思てたら中佐の次の「啓蒙」標的は他ならぬガルガンティアであり…っちうね。

中佐(=同盟)の視点からすれば、上記のごとく高い統率状況と命令系統の安定性こそが人としての幸福である。よってそんなもん全く捨て去ってしまったヒディアーズは人ではないということでもある。当然チェインバーもクーゲルさんちのストライカーもその点について疑問を差し挟む余地などなく、ただレドさんだけが揺れ動く価値観を抱えている…ってことは順当に行けばレドさんがガルガンティア側に与する、寝返るという流れなんだろうけど、そうなると相棒たるチェインバーをキッチリ説得できるか否かが重要事ではあるなあ。あんまり融通の利くお人(?)ではないし、もしレド側に付けさせるならば相当の詭弁モドキが要るだろうね。さて。

「風土病」を患いストライカーの中に引っこもって恐怖政治を行使してる中佐さんですけど、…風土病ってそれ現地の人とのウッカリ生殖活動によってアカンものもろたんと違いますかね。レドさんと違って多分そーゆーのも同盟で経験済みだろうしさあゲヘヘヘ。とまあそういうヨタは置いといて、チェインバーとストライカーとの間で交わされたこの病原体データがなんかの伏線になりそうな感じもアリ。

そもそも中佐ってホンマに生きてるのやらどうなのやら。身体はとっくに病没してて意識マトリクスをストライカー内にコピーしてるとか、あるいはもう根っからストライカーによる人格シムに過ぎないとか。そこら辺どうなのよ、ってねえ。

ちはやふる2・22話。こないだウッカリ見ちゃったので再掲ってことで、まあその個人戦、千早さんはしのぶちゃんクィーンとぶつかるのである。痛む右手を使い、包帯もガーゼも取っ外して全身全霊でぶつかってゆく千早さんであるが、あえなく惨敗の23枚差である。まァこのハンディキャップ戦で僅差であれ勝ってしまったらちょっとスゲ過ぎるなあとは思ったが…ううむ、ここまで完膚なきまでに負けさせるとは。なかなか容赦の無いお話ころがしではあるなあ。

こんな一方的な負け試合でも、悲惨にならず棄て話にもならずキッチリと盛り上げてくる脚本・演出は本当に丁寧なんだけど、やっぱしこの二人、いつかは万全な形でがっぷり組ませてあげたいものだなあと思う。その辺は来年、さらに千早さんが成長を遂げてからのお話だろうか。とりあえずこの段階では、クィーンの「何枚か取らせてあげたらよかったやろか」というガラにもない気遣いをガッツリとひっくり返すに至る、千早さんの真っ直ぐすぎるポジティブさを称揚するにとどめときましょうか。「ありがとう手加減しないでくれて、またかるたしようね!」ですよ。…にしてもクィーン、アンタが完全復活するとコワいねん。何ですのんそのどす黒いオーラ。

次回以降でとうとうアラタさんとクィーン激突、トップ連中のレベルの差を見せ付けて千早さんが奮起するかどうするか、ってとこですかね。その前に太一っちゃんの運命との戦いもありますが。あと何だ、冒頭のTシャツ勝負といいスミレさんの動かしかたといい、要所で軽コメディ描写を入れてスッと息継ぎをする間合いがやっぱ、上手いね。