勇しぶ/ぎんぎつね

●新番組・勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。なるほどラノベ原作ね。タイトルどおりなら(ワシは見てないが)最近そこそこある、ファンタジィと現実的要素をミックスしたようなお話になるのであろうか。そう思いつつ見てたら冒頭からいきなり、ものすげえちちとかしりとかコンシャスな絵柄満載でなんかその辺で目をグイグイ引かれたりした。後半になると盛大にぱんちら、つーかぱんもろしたりするのだが、このアバンにおいても「なんだその視点移動」ってな感じの舐めるようなパース作画とか、ううん好き勝手やってんな。ま、うん、その、悪いことでもない。ちっとも。

さて。本編は勇者候補生として結構エエ成績もあった主人公のラウルさんが、なんか知らん魔王が退治されてしまったのでその存在意義を失って家電量販店(魔法的ではある)にてバイトする話。そこに魔王の忘れ形見、常識はないが割と前向きで素直なところもある(上にちちを見せるのに抵抗が無い)フィノさんがやってきたりして、いろいろえろいこともありつつも大変だよねえ…というね。かなり軽い口当たりでまとめてあり、そこここにちりばめられたライトえろ描写も相俟って実に見やすい。このまま気楽なテンポで進んでくれたらあまり文句も無い、ってとこだなあ。

実際のところ「戦闘要員が平和な世界となって排斥されてゆく」っちう、ベースにあるのはランボー(原題・First Blood)にも近いダウナーネタでもあるんだけどね。ま、その辺は今後出てくるのかどうかは知らんけど。とりあえず絵的にもイヤミなく、サクサク見られるのはよろしいことだ。その分「どうしても視聴せねば」という意欲もあまり強くはないが、とりあえずはもうちょっと見てみようかなと思います。判らんけど。

●新番組・ぎんぎつね。詳細は知らず、ウルジャン連載のマンガが原作ですか。えー、主人公は稲荷神社の十五代目、至ってフツーのお嬢さんであるマコトさんと、神社の主たるおキツネ様の「神使」銀次郎さんのお二人。お話の構造としてはごくごく真っ当というかストレートというか、このセッティングから想起される割とそのまんま、のんびりした人外バディものではあるのだが…。

とりあえずはやっぱこの、銀次郎さんのキャラですよねえ。ミキシン声にちょいとワイルドな風貌、しかしてその中身はというと、ミカンに目が無いわ犬には弱いわマコトさんと同レベルで口喧嘩してマジ家出…神社出しちゃうわ、つまりその、すげえあざといなおっさん! 一応神様の使いらしい神通力はあるのだが、今んとこは失せ物失せ人探しに使われる程度の能力。…イケメンボイスのもふもふワイルドケモってことで、何となく(川崎のぼるではない方の)ニャンコ先生を思い出したりした。

あと今回フィーチャーのユミさんも、不良っぽい我の強さでありながらネコには優しいという、ああなんとテンプレなあざとさであることか。そしてお父さんも優しくて思慮深いお人っぽくはあるが、声が関俊彦なのでなんか怖い。うん、ちょっと怖い。

てことでベタもベタ、お約束にかなり忠実な第一話。上で言及したニャンコ先生夏目友人帳とはその辺で少々テイストが異なる感覚だろうか。しかしこのストレートさは、ワシ如きおっさんにとっては視聴に優しい要素であるとも言える。個人的には銀ちゃんの「占い」はもうちょっと幽玄な、それほどエフェクトの目立たない演出の方が好みではありますけどね。うーん、もう少しつきあってみましょうか。