ガルガンティア/ちはやふる

翠星のガルガンティア・7話。ヒディアーズとクジライカとの処遇をめぐる断絶、レドとリジットたちとは根本的に思想が異なること。合理非合理もさりながら、価値観の差異ってェのは容易に超克できるものではない。それが(レドのように)自己の存在そのものと分かちがたく結びついていたり、(ガルガンティアの人々のように)生活の一部となっているのならばなおさらだ。そしてこのギャップは、そのままガルガンティア船団そのものの分裂の種となりつつある。その上このタイミングで要石たる船団長の存在が…っちうね。

やらかしちゃったレドについて、船団員がみな「そらアカン」一色にならなかったってのはちと面白い。リジットさんも「迷信」と言うてたけど、その辺の温度差は如実にあるんだろう。ただ今回「レドの側に付いて一仕事してやろう」という一派のメンツがどうもトラブルメーカっぽい人ばかりやからなあ。当然ながらこのままレドがイカ殲滅を開始しても、エエ結果になるとは思えない流れではある。その辺、イカ/ヒディアーズの根幹に関わる謎が絡んできそうですな。

世界の謎はともかく、今回のギャップを表す単語が「共存共栄」であり、その言葉がレドくんの世界には無いってのはなるほどなと思う。そらまあ向こうさんが燎原の野火の如く交渉の余地ナシで殲滅してくるのなら、我か彼かの二択しかあらへんわな。その概念の理解とともに、「俺は兵士だ」というレドくんの意識がどこまで柔軟性を持てるか。…いや、まだ作品の行く末については予断を許さぬ。ひょっとしてレドくんが百パー正しくてガルガンティア世界全滅! っちうエンドになるかもしれんしな! ま、どんでん返しにしてもそこまで単純なモノにはならん気はするけどね。

ちはやふる2・18話。対富士崎戦は苦戦の連続。そして駒野・筑波の両名が脱落し、とうとう一勝も落とせない状況…というね。そこここに希望の光や逆転の目をチラつかせつつも、しかし全体的には下り坂一直線という明らかな実力差描写。アラタさんの言う「空気の薄い」感覚そのまま、息苦しくて消耗させる展開作りが延々と続いてるワケで、上記の浮き沈みがくっついてくるのが「メリハリ付いて飽きさせない」だけに余計しんどい。かるたって体力と精神力の勝負なのねえ、っちうのがよう判る作劇ではありますよ。

並行して描かれているのは団体戦を巡る思惑アレコレ。もう先なんて要らねーやこの団体戦が全部なんやと全身全霊傾けてる競技者たちと、それを評して「気持ちワル」と言うクィーン。幼少の頃から自他共に孤立を強いていた彼女にとって、団体戦ってのは単純にワケの判らん異質な世界だったのだな。かるたの世界を支えてくれてんのは彼ら多くの人々だとアラタさん言われようが、感覚が判らなければそれに共感のしようもない。さて、千早たちの団体戦エネルギーはクィーンの共感を呼び起こす≒クィーン自身に並ぶと認識されるに至るか否か。

…でもどうでしょうなあ、千早さん指の故障抱えちゃったし、今期の残り話数考えても個人戦対決までいくかどうか。まあそのうち第三シーズンやることを期待してもいいけどね! って気が早いですけども。その前に富士崎に勝てるかどうかも怪しいっすよなあ。ふむふむ。