ゴシック/シュタインズゲート/C/あの花/ファイアボール

GOSICK・21話。ココ・ローズの死の真相に迫るゴスホームズとヘボワトソンの二人連れ…ってったってまあ、防腐処理された首なし死体だの金髪碧眼の秘書大量募集だの、もうほとんど答えは提示されてるようなものであって毎度ながら推理がどうとかには主眼を置かれてないんですけどね。でも首消失のトリック、「王が頭上の王冠の中に入れていた」っちうのはなかなかキモチ悪くて良かったな。


さて。先週までの結構緊迫した様相と比して、何やら平和な感じで終わったお話ではある。今回かなり力が入っていたのは芝居シーン。舞台の描き方も然りながら、芝居脚本として表面に見える物語とヴィクトリカの語る「真の物語」が並列して提示される、という演出は興味深かった。…勇んで登場した先生とゾフィさんのおばさ…お姉さん二人連れがほとんど活躍しなかった(ゾフィ姉さんは芝居の解説という重要な役はあったが)のはちと残念だけどね。


あと、実は生き延びていたココとその息子の描写。ヴィクトリカさんが懇切丁寧に「これこれこうして生きていたのだ」と言い切っちゃうのがちょいとヤボだな、と。そこは「この物語にはいなくなった人間が二人居る…」で止めて、並んで座っている母子二人の会話を見せるだけでエエ余韻なのと違うかな、とか。とまれ、今回は上記のとおり割と平和な感じだったので、その分ヴィクトリカさんのかわいったらしさを賞玩する余裕もあって良かったですよ。とまあそんな感じで。うん。


Steins;Gate・11話。今んとこ短文メールを過去に送ることしかできないタイムレンジであるが、まてよまてよ突き詰めれば記憶も情報、これを過去に送ることくらいはできるのじゃなかろうかとか言い出すアブナイ野郎どもである。そらまあ確かにそうだろうけど、記憶改変とか記憶抽出とかそんなもん大概な未来技術じゃねェか…とか思ってたらクリスさんは「材料はアキバで揃うと思うけど」と仰るのであった、というね。ううむ、天才の集合体。ダルさんといいクリスさんといい、基本的な部分で既に中二的な超テク持ちではあるんだよなあ。


一応できるはずと言うクリスさんだけど、実験には何故か気が進まない様子。確かに危険な要素も多いだろうしねとか思ったら実はそやない。仲の悪いお父んがこれを知ったらさらに機嫌悪ゥするやろなあ、とかそういうことである。気持ちは判るがそれにしても太平楽やなあ、とかちょっとね。時間改変に記憶操作…一応表面的にはマッドサイエンティストを標榜するオカリンはまだしも、クリスさんまでそこら辺が甘い考えなのだなあ。ま、そうでもなきゃ話が進まないってのもあるでしょうけどね。」


あとはクリスさんとCERN…もといSERNの関係性か。ホンマにスパイ/関係者であるという可能性もあるが、知らず知らずでSERNと繋がっていたっちう可能性もあるわな。例えば先述のお父んが一枚噛んでるとかね。どのみち「お前は知りすぎた」なんてなしょーもない警告メールを送るトコ見ても、本気で殺しに来ている巨大組織っちう感じはしないけれども。


夜の公園月明かり、訥々と親子の確執を語るクリスさんのシーンは、まァ省力演出かつ定番ながら効果的な雰囲気でよろしい。画面設計のベースがモノトーンだし、こういうモノクロ映画のようなシーケンスは嵌るよね。


●C・9話。東南アジア金融街の破綻消滅は世界各地に影響を及ぼす。あるいは耐え、あるいは消滅し、あるいは多大な犠牲を強いられる各金融街(≒現実の都市)。ミクニさんは日本の金融街を破滅の巨波から救わねばならない。その為の資金がどうしても足らないと判った時、彼はある決断をする。それは「日本の未来20年分」と引き換えに巨額のミダスマネーを調達すること。…ミクニさん一派の介入により日本の経済的消滅は回避されるが、消費された「未来」の影響は容赦なく出始める…というお話。


金融街に関わっている者には未来の消滅による変化が自覚される、ってワケね。市民の憩う和やかな公園の風景が瞬時にブルーシートと失業者だらけに変わったり、キミマロさんの目の前でコンビニバイトの同僚おっさんが消滅したり、という未来消滅の描写は判りやすい。ホンマにこれが正解だったのかと苦しく思うキミマロさんであるが、まあねえ…現時で消滅するか否かの天秤となればねえ。あるいは他の方法もあったのだろうか。さて。


それにしても大概な規模の行為であるのは間違いなく、ミクニさんはそれだけの…日本全ての20年を我が手で扱えるだけの「信用」を持ってたっちうことなんだよな。信用こそが力。そしてミクニさんは今後も力を保持していられるのか。てか繰り返しになるが、金融街って何なのさ、じゃよね。


未来じゃなくて今が大事、キミマロさんと一緒に居る今を変えることに不安を持っているマシュさん。そのヨスガを求めての「キスしてちょーだい」に対しておでこキスで応えるキミマロさんが、なんちうかベタでよし。元ネタはどこまで遡れるんでしょうね。アチシはカリ城のラストを思い出しましたけれど。


あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。・9話。みなの目の前で蒸しパンを作り持って来て供するメンマさん。みなにはメンマさん自体は見えないがその行為は見える。てことで空に浮かんでやってくる蒸しパンやお皿を目の当たりにするワケで…うーん、こうなると「ジンタンのパラノイアによる産物」っちう線は限りなく薄くなるな。てことでメンマさんの存在は認めるに至ったものの、ユキアツさんは「何故今までそうしなかったのか」に疑問を呈する。意識的にか無意識にか、ジンタンはメンマ存在の証明を避けてきたのではないか。メンマとの関係を独占するために。何故メンマは自分ではなくジンタンと共に居るのかちきしょーめ、というね。


サブタイは「みんなとめんま」。その通り、メンマさんの存在はみんなにどのような影響を与えているのかという。「みなと一緒に居れば楽しい」と言うメンマさんだけど、そない単純に物事は進まない。てことで今回は各人の抱える苦悩や後悔や逡巡で構成されている。「死んだメンマがここに居る」というこの要素いっこで、ここまで陰影の深いバラエティを各々に用意できる…そして不自然を感じさせない、っちうのはスゲエな。ゆきあつとつることなるこ三人の絡みのシーン、自販機と広場とその二つの場を結ぶ小さなトンネルという舞台設定がホンマに上手く、毎度ながら小憎らしい。塀の影でも単に離れた場所でもいいのに、トンネルだ。…そういえばちょっと前のサブタイにもありましたね、トンネル。


そしてジンタンの中にあるモヤモヤも顕在化を始めている。メンマが居なくなるのはイヤだ。このままここに居て欲しい。…確かにメンマさんの存在の影響は大きく、そして「このままで良いはずがない」ってな不自然さがあるだけに、却ってその喪失は恐ろしいだろう。ジンタンが/みんなが今やっていることは、自ら進んでその大きな痛みと喪失を得ようとする行為だ。それは多分、必要なことなのでしょうね。大きなショックなかりせば、この歪みも解消されない…とかね。


さて、今一番注目してんのがつるこさんですけどね。ずうっと抑圧して我慢して、クールにかつ他者のために動いてきた彼女だけど、自分を吐露するに至るはいつのことか。メンバーの中でいちばん屈託を持ってなさそうなポッポにも、何がしかわだかまりがあるようだしねえ。…これ1クールだよね? どのように話を持ってくのかしら。ふうむ。


逆境無頼カイジ 破戒録篇・11話。さてパチンコ「沼」にチャレンジのお二人さん、おっちゃん最後の切り札は原点的に単純な仕掛け・磁石によるゴト行為である。事前事後の磁石チェックをクリアするためのちょっとしたテクニックは使うものの、基本的にはそれだけのもの。「そこに入れば大当たり」という最後の関門を越えさえすれば…。しかしカイジさんは店員の会話を聞いてしまう。おっちゃんと自分の来訪は筒抜けであったこと、そして店側が負けることは無いという自信の表れ…「ブロック」という単語。ここにきてカイジさんの緊急警報は「撤退」を告げている。のだが、のだが…というね。


基本的にカイジさんは土壇場でないとパワーが出ない人なので、「一回コテンパンに負ける」っちうシチュエーションは毎度必要になってくるのだけれど、今回はまあおっちゃんの妄執がその役割やねえ。何というかもう、パチンカーのダメスパイラルであり業のようなあのノリ。パチンコやギャンブルに限らない「こんだけ乗りかかったのだからもう後戻りできない。できるわけがない!」というあの感覚ですよね。そこで回頭できないのがワシらダメ人間、っちうことだ。いやワシの場合はその段階まですらいかないのだけどさ。


声優演技は如例にして見所多し。二又一成のおっちゃんは情けなさと強引さの入り混じったゴッツい演技で、見てるだけでこっちがいたたまれなくなりそうです。当然ながら立木ナレも暴走中。「安心してお遊びくださァい!」じゃねえよ!


ファイアボール チャーミング・11話。お嬢様はどうやらバイクが気に入ったらしい。「ブレーキを憶えた」流石でございます。ならばってんでバイクを皮切りにさまざまなスポーツを提案するゲデさんであるが、ゴリラちくわぶさんやレジナルドさんの余計な行動によってイマイチお嬢様の接待に邪魔が出てしまう。ま、お嬢様が楽しそうならそれでよろしいです。「締めるよりむしろ開いていく」流石でございます。


野球と見せかけてクリケットの試合してるお嬢様たちですが、これは前シーズン1話の銀河ヒッチハイク・ガイドネタの一環かしらん。その上で侍ジャイアンツネタも持ってきたりして、なかなかにカオスやなあ。そのうち元ネタ解説サイトとかできたら見に行ったりしよう。あと、ハイアイアイ諸島には流鏑馬は無いとも思います。