花咲くいろは/カイジ

花咲くいろは・12話。オハナさんの東京カチコミ編・後半。何とかお母んに自分の職場を見せたいオハナさんは「じゃ誘拐しよう」っちうまあ、このコらしい無茶な提案をする。しかし意外にもそれに乗っかってくるトオルさんであり、さらに交換条件としてコーちゃんも連れて来い、と言うのである。…そ、現在オハナさんはトオルさんとミンコさんの三人パーティで移動中。何でまたこのメンツかっちうくらい微妙な取り合わせだが、無論微妙な話を作るために構成されたメンツであって循環論法ですか。ちょっと違いますか。まいいや。


オハナさんはコーちゃんの今彼女と出会い、コーちゃんと電話で話し、自分の過去と現在と立場を…いくらか外部視点の情報を元に、再構成する。ズルいのは自分だ。頑張ってるつもりでコーちゃんを傷つけていたのは自分だ。…オハナさんはいつも、自分で火をつけて自分で消してしまう。結局振り回される周囲が災難であり、また新たなドラマの種である。ま、今回は主にミンコさんが災難やよね。うん。


オハナさんを待ってる間の食べ歩き、UFOキャッチャーに没頭するトオルさんを見ての「オハナが他の男と会っているのが落ち着かないんですか」というミンコさんの感想。ミンコさんにそう言われて初めて「あ、なるほど」と思うワシ。ミンコさんは気付くが、ワシ程度のボンクラでは気付かない「UFOキャッチャー」という行動のチョイスが上手い。


最終的にお母んは向こうの方から旅館についてくることになって、さあ来週は親子三代のツノ突合せですな。てことで今回もなかなかてんこ盛りの人間関係描写で濃いィお話だった。うん、オハナさんという突拍子もないキャラで引っ張ってくという方針は、こういう要素の多い状況下では有効かもしれない。面白かった。


逆境無頼カイジ 破戒録篇・11話。さてパチンコ「沼」にチャレンジのお二人さん、おっちゃん最後の切り札は原点的に単純な仕掛け・磁石によるゴト行為である。事前事後の磁石チェックをクリアするためのちょっとしたテクニックは使うものの、基本的にはそれだけのもの。「そこに入れば大当たり」という最後の関門を越えさえすれば…。しかしカイジさんは店員の会話を聞いてしまう。おっちゃんと自分の来訪は筒抜けであったこと、そして店側が負けることは無いという自信の表れ…「ブロック」という単語。ここにきてカイジさんの緊急警報は「撤退」を告げている。のだが、のだが…というね。


基本的にカイジさんは土壇場でないとパワーが出ない人なので、「一回コテンパンに負ける」っちうシチュエーションは毎度必要になってくるのだけれど、今回はまあおっちゃんの妄執がその役割やねえ。何というかもう、パチンカーのダメスパイラルであり業のようなあのノリ。パチンコやギャンブルに限らない「こんだけ乗りかかったのだからもう後戻りできない。できるわけがない!」というあの感覚ですよね。そこで回頭できないのがワシらダメ人間、っちうことだ。いやワシの場合はその段階まですらいかないのだけどさ。


声優演技は如例にして見所多し。二又一成のおっちゃんは情けなさと強引さの入り混じったゴッツい演技で、見てるだけでこっちがいたたまれなくなりそうです。当然ながら立木ナレも暴走中。「安心してお遊びくださァい!」じゃねえよ!