タイガー&バニー/アザゼルさん/青の祓魔師

TIGER & BUNNY・8話。ルナティックの否応無い行動に喝采を送る町の人である。ちょいと人気も下がり気味なヒーローたちの状況を憂い、スポンサーたちは人気取りのテコ入れ計画を彼らに要請する。その結果が奉仕活動と慰安講演ってのがまた、何というか、妙な生々しさではあるなあ。その一環としてヒーロー育成学園にやってきたのは我らが虎兎、そして…オリガミさんである。


てことで、今回はオリガミさんの担当回。人を救ったり悪を討ったりするよりもとにかく「画面に見切れる」っちうのを最優先する色物ヒーローのオリガミさんであるが、一旦装束を解いたら意外なネガティブ青年なのである。その原因は過去の事件、友人の危機に動けず彼を救えなかったというトラウマ。オリガミさんがそんな葛藤を一旦乗り越えるまで、っちうお話が今回ですな。普段であれば常にヘッポコな貧乏くじを引くのはタイガーさんの役だけど、今回のタイガーさんはおっさんらしい面倒見の良さが出てきてた様子。人生における挫折とか、そういう状況になるとこの浪花節オッサンは(特に裏づけはないが)頼りになるなあ。そらバニーさんの人情回路も動いてこようというものだて。うん。


ルナティックさんの正体がペトロフ判事だってのはバレバレとして、やはり彼は組織の手先とかではなく「独自の正義コードを持ったダークヒーロー」っちう立ち位置のようですね。この世の法で裁けぬ悪を、裏の力で殺します。トゥーフェイスというかデアデビルというか、あるいは必殺仕事人というか。大きく歪んではいるものの彼なりの善を信望しているようではあるので、こりゃそのうち「勘違いするなよ」系のデレ台詞が出てくると見た。件の秘密組織「ウロボロス」が明らかになった日にはヒーローたちと共闘したりして、ね。判らんけどね。


●よんでますよ、アザゼルさん。・7話。新キャラ登場、その名は堂珍。パッと見ィは単なる少年なのだが、何故か悪魔を使役できた上にその弊害によって一部記憶をなくしているお人。ちょいとダークな設定だがそこはそれこのアニメ、ゲッスい性格で助兵衛台詞という非常にアレなキャラである。同じセクハラキャラとしてアザゼルさんに通じるところもあるが、今んとこ堂珍さんはどうも陰性な印象があって余計にゲスい。しかしこんなキャラでも状況が進むとツッコミ役に回らざるを得なくなってくる、っちうのがこの作品の恐ろしさよねえ。


そのゲスさをさくちゃんに嫌われて、新たな学校へのエスコート役としてしぶしぶ召喚されたのは再登場のアンダインさん。登場いきなり「微妙に人気なんですってねこのアニメおめでとうございます」とメタかつダウナーな台詞から入り、あとは怒濤のめんどくさい女ワールドは流石。オノサカさんといい小林ゆうさんといい、アテ書き違うかってくらいのはまり役が多すぎるわなあこのアニメ。


オバハン校長に愛河里花子、心のこもってない台詞が得意のイケメン先生に鈴村健一とまあ無敵の布陣。予告見る限りどーもこの鈴村先生もアカン人っぽいっぽいので次回が楽しみ。…てかアクタベさん、ほんっとにさくちゃんにはズル甘いよなあ。何でしょうねあの庇護欲みたいのは。


青の祓魔師・6話。学園生活の喰い物を巡るいくつかの事情、まあ有体に言ってフィラーエピソードである。どちらかというと散漫な印象のお話だったけど、キャラたちが楽しげに動き回るのを見る分にはある程度の軽さがあった方がよろしいか。…にしてもリンさんもアレだね、ぶっきらぼうで人付き合い悪いってのは創作物としての属性なので当然として、その上で誠実でまっすぐでおまけに料理上手。ある意味至極真っ当な「理想の男子」ではあるなあ。ぶっきらぼう属性も「でもアチシだけには素直であって」等の変換があればたちまち美点だしね。結構マーケティングリサーチに忠実な作品なのかもしれない。


てことで割とふわふわしたお話なんだけど、上記のように「食べること」というキーワードが一貫しているのでその辺は見やすい。ゲスト悪魔も料理がらみ、男子寮のメシ全般を仕切っているウコバクさん。ウコバチとも言いますが、本来料理云々っちうより熱と炎の悪魔じゃったような気がせんでもない。まァその辺はいいや、この作品における悪魔ってのは、低級ならばなおさら妖怪や精霊に近いものみたいだしね。


…ワシは割とこういうフィラー話は好きなほうでして、今回もそこそこ楽しんだのだけど、それにしてもちょっと型どおり過ぎるかなって印象はあり。特に冒頭の購買部・焼きそばパン・争奪戦エピソードとか、ギャグにしてもちょっと辛いレベルの陳腐さではあったな。そこらへん含めて堅実ですよとも言えるけれど。